IRLとの分裂前においてはUSAC主催のインディアナポリス限定で
ブースト圧優遇ルールですね。94年に関しては「実はその数年前から『ストックブロック』
のルールが抜け落ちていた」とのことで、件のペンスキー・イルモア・メルセデスの
プッシュロッドスペシャルがルール上成立しちゃったわけです。

95年には再びストックブロック限定になったものの、IRLと分裂した96年には
確かブースト圧制限が従来よりさらに緩くなっていたせいであんなことになっちゃったんだったと。

で、その96年からCARTの方ではヘッドサイドプロテクション関連のルールが改正されたのに
IRL側ではCARTの96年規定シャーシの使用を認めなかった、というのも
また悲劇の伏線として存在するわけです。

技術レベルの高いチームはそれまでも横G対策として取り付けていたヘッドサイドプロテクターを
自主的にモノコックと一体化した形で取り付ける改造をしてくるわけですが、
例えば予選やプラクティスでレコードを叩き出したラインダイク車は御覧の通りアウトサイドしか無いし
https://upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/1/13/ArieLuyendyk1996recordcar.jpg

優勝したバディ・レイジア(そもそもこの人って長らくPPG-CARTシリーズでは長らく中堅の人)の車も
https://upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/4/4f/Indy500winningcar1996.JPG
御覧の通りなんかテキトーな処理。

これを見るとブレイトンの車のヘッドサイドプロテクターに不備があったといわれても
何か分かる気がします。ラインダイク車のそれでも同じように180度スピンして
左サイドから当たったら大丈夫なのかどうかは疑問なところで。