なぜエヴァは成熟した大人にも楽しまれるのかpart22
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ここは、なぜエヴァを楽しむ成熟した大人が増えたのか?
または、なぜ幼稚な大人はエヴァを楽しめないのか?について意見の交流を行うスレです。
深夜アニメばかり見て精神退行した自分はエヴァを楽しめなくなったと嘆いて傷を舐め合うもよし、
エヴァが楽しめてる自分はまともな大人なんだな、という希望にすがるもよし
「いや深夜アニメ見てる奴にも人気あんじゃん」と叩かない範囲内でツッコミ入れるもよし
なぜエヴァは成熟した大人にも楽しまれるのかpart21
http://mao.5ch.net/test/read.cgi/eva/1604394219
の次スレとなります 芋虫仙人「あの中へ飛び込むのだ」
家獣「バウ?」
悪魔くん「あの中へ?」
芋虫仙人「大丈夫。急ぐのじゃ」
悪魔くん「家獣、勇気を出して飛び込むんだ」
家獣「バ、バ、バ、バウ。バウー」
悪魔くん・メフィスト2世・幽子・百目「…!」
家獣「バウー」
芋虫仙人「地獄へ抜けたぞ、悪魔くん」
悪魔くん「う…」
芋虫仙人「急いで閻魔の宮殿へ向かうのだ」
悪魔くん「はい」
百目「家獣、頼むんだモン」
家獣「バウー」 家獣「バウー」
亡者たち「ア〜…ア〜…」
幽子「大丈夫?悪魔くん」
悪魔くん「大丈夫さ、これくらい。あっ…」
百目「しっかりだモン」
亡者たち「ア〜…ア〜…」
メフィスト2世・幽子・百目「わあ!」
メフィスト2世「悪魔くん、逃げるんだ!」
百目「早くだモン」
メフィスト2世「よし、みんな手を貸せ」
百目「うん」
幽子「はい」
家獣「バウー」
メフィスト2世・幽子・百目「うわー!」
幽子「豆ユーレイちゃん、悪魔くんたちをお願い!」
豆ユーレイたち「はーい」
悪魔くん「ありがとう」
百目「幽子ちゃーん」
メフィスト2世「家獣。幽子を頼むぜ!」
家獣「バウー」
芋虫仙人「悪魔くん、気をつけるんじゃ」 吸血小人「ははははははは」
鬼B「待て、止まれ!」
吸血小人「ふっ」
鬼B「うわあああ!」
吸血小人「ははははははは」
鬼C「うがあああ!」
吸血小人「ははははははは」
メフィスト2世・百目「あ!」
鬼たち「あ…」
メフィスト2世「吸血小人のやつ」
悪魔くん「遅れをとったぞ」
メフィスト2世「よーし、全速力だ。いくぞ、百目」
百目「モン」 赤鬼「あ、集魔玉!」
吸血小人「その通り。今度は閻魔の剣、刀鏡を頂きにきた」
鬼D・鬼E「何だとー!」
吸血小人「…」
鬼D「うわあああ!」
吸血小人「…」
鬼E「あがあがあ!」
吸血小人「俺の邪魔をしない方が身のためだ」
赤鬼「そうはいかねえ。ここはおいらが一歩も通さねえ」
吸血小人「バカめ。地獄の鬼といえども集魔玉の力には逆らえまい」
赤鬼・青鬼「うお…」
吸血小人「魔力を吸われまいとしてもムダだぞ」
メフィスト2世・百目「あ!」
赤鬼「悪魔くん、来てくれたんすか…?」
吸血小人「ふん。今さらどうあがいてもムダだ。はははははは」
悪魔くん「閻魔大王、剣を」
青鬼「うわあああ!」
メフィスト2世「ダメだ」
悪魔くん「どうしたらいいんだ。そうだ、閻魔大王の魂、仁王様にソロモンの笛で力を送るんだ。仁王様に」
メフィスト2世・百目「悪魔くん!」
悪魔くん「ああっ…」
吸血小人「へへへ。ざまあねえや。お前をさっさとおねんねしちまえ」
百目「悪魔くーん」
メフィスト2世「しっかりしろ、悪魔くん」
赤鬼「悪魔くーん…」 メフィスト2世・百目「!?」
悪魔くん「(♪〜)」
百目「どうなってるんだモン?」
メフィスト2世「悪魔くんは、魂でソロモンの笛を吹いているんだ」
百目「魂でかモン?」
悪魔くん「(仁王様、立ち上がってください。立ち上がって剣を振ってください)」
赤鬼「うおおおお!」
悪魔くん「(仁王様、剣を取られてしまったら、地獄は終わりです。立ち上がってください)」
吸血小人「へへへへ、頂きだ」
悪魔くん「(仁王様)」
吸血小人「へへへへ。あ、あ…まさか」
閻魔大王「む…」
吸血小人「くそ。あ、あ、ぎゃああああああああ!!!!」
メフィスト2世「やったー」
百目「やったモン」
メフィスト2世・百目「悪魔くん」
百目「頑張ったモン」 仁王「悪魔くん、君のおかげで地獄の混乱は元通り収まった。感謝するぞ」
悪魔くん「仁王様」
芋虫仙人「仁王様、申し訳ございませんでした。わたくしめが油断をいたしましたばっかりに」
仁王「ああ、よいよい。悪魔くん、以前より力を増したな」
メフィスト2世「魔力がみなぎってきたぜ」
仁王「だが、地獄制覇に失敗した東嶽大帝は、他界を手に入れるため全力をあげるじゃろう。頼むぞ、悪魔くん」
悪魔くん「はい、分かりました」
仁王「うむ」 リリス「吸血小人の失敗で、東嶽大帝様はことのほかお怒り。
こうなればこちらから乗り出すしかないのでは」
ロソン「うーむ」 悪魔くん「遂にロソンと決戦の時は来た。
太古の遺跡を使って、宇宙から呼び寄せた霊魂爆弾を日本へぶつけようとするロソン。
そして、リリスの操る魔獣が、僕たちの行く手を阻む。
このままでは日本は最後の時を迎えてしまうんだ。
悪魔くん。日本を襲う霊魂爆弾の恐怖。
夢よ、とどけ君の心に」
『日本を襲う霊魂爆弾の恐怖』 悪魔くん「エロイムエッサイム、我は求め訴えたり!」
<ナレーター>
ソロモンの珠宝を手に入れた悪魔くんと12使徒は、
力を合わせて見えない学校を浮上させた。
今ここに魔界伝説が蘇ったのだ。 リリス「ゴモリーに続く吸血小人の失敗で、東嶽大帝様もかなり苛立ちのご様子」
ロソン「ふっ、世界各地の人間を黒悪魔にする作戦は、着々と進んでいるのだ。
あとは悪魔くんのいる日本さえおさえれば」
リリス「それともう一つ気になることが。どうやら悪魔くんは、自分たちの力を高める、
秘密の方法を探しているようなのです」
ロソン「なに!」
リリス「ぐずぐずとしていると取り返しのつかないことに」
ロソン「分かっている。良かろう、こうなれば私が日本に乗り込み、一気に決着をつけてやる。
覚悟するがいい。小僧め」 悪魔くん「あーあ」
百目「悪魔くん、何か分かったかモン?」
悪魔くん「ううん、手掛かりも掴めないよ。でも諦める訳にはいかない。
東嶽大帝を倒すためには、究極の“六芒星”を完成させるしかないんだ。
ソロモンの鍵のありかさえ分かればなあ」 アナウンサー『世界的企業グループ、ロソンコンツェルンの会長、
ロソン氏が今日、特別機で日本を訪れました。
ロソン氏は大臣らの会談の申し入れは全て断り、のんびりと日本の休日を過ごす予定です』
茂「あー、特別機でふらりと休暇とはね。金持ちは豪勢なもんだなあ」
エツ子「それはそうとお兄ちゃんと百目ちゃん、まだ調べものしてるのかしら」
コハル「食事の時間も忘れるほど学校の勉強もしてくれるといいんだけどねえ。あの二人」 ロソン「我がしもべなる霊魂どもよ。今こそ我の元に集え」 ロソン「来たれ。我にその強大なる力を捧げよ。
ふふふふ。今からきっかり13時間後にこの私は途方もない力を手に入れる。
だがその時まで悪魔くんに邪魔をされぬよう手を打たねばな」
リリス「私にお任せください」 情報屋「おはよー」
貧太「おはよう」
悪魔くん「おはよう」
百目「おはようだモン」
悪魔くん「百目、学校が終わったら道草せずに家に戻って昨日の続きだよ」
百目「うんだモン」
貧太「悪魔くんも大変だねえ」
情報屋「俺たちでよかったら何でも協力するぜ。遠慮せずに言ってくれよな」
悪魔くん「うん、ありがとう」 百目「モーン、危ないモン、悪魔くん!
貧太・情報屋「わあ!」
エレメンタルたち「…」
悪魔くん「は!誰だ、お前たちは!」
貧太・情報屋・百目「ひええ…」
リリス「…」
悪魔くん「たあっ」
百目「モーン!」
悪魔くん「うわー!」
百目「悪魔くーん!」
メフィスト2世「魔力、稲妻電撃!」」
貧太・情報屋・百目「あわわわわ…」
メフィスト2世「悪魔くん!」
リリス「ふふふふ」 貧太「大丈夫かい?悪魔くん」
悪魔くん「うん、心配ないよ。これぐらい」
メフィスト2世「危ないところだったぜ。でもこの様子じゃ学校は無理だな」
貧太「学校の方なら、僕たちがなんとかするよ」
百目「ボクにいい考えがあるモン」
情報屋「俺も手伝うぞ。悪魔くんは心配しないでゆっくり手当してくれよな」 先生「川田くん」
川田「はい」
先生「佐藤くん」
佐藤「はい」
先生「横山くん」
横山「はい」
先生「埋れ木くん」
情報屋「はい」
先生「え?あら、あなた隣のクラスの」
百目「(ピカッ)」
先生「あ…あら、今日は遅刻しないできたのね、埋れ木くん」
貧太「百目くんの魔法もなかなかのもんだな」
百目「ひひ」
貧太・情報屋「いえーい」
百目「モーン」 メフィスト2世「親父が早く悪魔くんに知らせろって言うんで駆けつけたんだが、ちょうど良かったな」
悪魔くん「メフィストが何か?」
メフィスト2世「うん、久しぶりでヨーロッパに里帰りしてた親父が、
すごいパワーの霊魂エネルギーが空に昇っていくのを見たって言うんだ」
悪魔くん「霊魂エネルギー?」
メフィスト2世「嫌な予感がするから悪魔くんも気を付けろって。親父もあちこち調べてみるって言ってたぜ」
悪魔くん「気になるな」
メフィスト2世「なーに、親父の思い過ごしかも知れねえし、それにしても奇妙な連中だったな。あの二人組」
悪魔くん「おそらく、人工精霊エレメンタルといって、魔法でつくられたロボットみたいなものさ。
それに、あのカード魔術は、確か文字や数字を呪文に使うゲマトリア魔術のはずだよ」
メフィスト2世「ロボットだとしたら操ってるやつがいるはずだな。とにかく今日はゆっくり寝てな。
俺がついててやるからよ」
悪魔くん「ありがとう、メフィスト2世」 リリス「上手くいきました。悪魔くんも今日一日は動けないでしょう」
ロソン「それで十分だ。見ていろ、必ず悪魔くんを血祭りにあげ、
地上支配を一挙に成し遂げてみせるからな。ははははは」 こうもり猫「おーい、悪魔くーん。てえへんだ、てえへんだ、悪魔くん、てえへんでやんすよ。
おっとっと、着地失敗」 悪魔くん「えー!彗星が日本に落ちるって!?」
こうもり猫「メフィストからの連絡で魔眼が調べてきたんでやんすけど、
なんでも学者によると何か強力な魔力が作用して呼び寄せてるようだって言ってやしたよ」
情報屋「そ、そんなものが落ちたら俺たちはどうなっちゃうんだ…」
貧太「でも変だな。普通の彗星ならもっと前に天文台が発見するはずなんだけど」
メフィスト2世「きっと黒悪魔が魔力を使って呼び寄せているんだ。悪魔くん」
百目「でも、どこにいるのかモン」
メフィスト2世「くそー、それさえ分かりゃあな。なんとか見つけねえと大変なことになるぜ」
悪魔くん「黒悪魔が強い魔力を発揮できる場所が日本にあるとしたら…たった一つ」
メフィスト2世「あ、分かったぞ。大昔黒悪魔のアジトだった軽井沢しかねえ」
悪魔くん「よし、行こう。う」
百目「まだ無理だモン。悪魔くん」
メフィスト2世「そうだぜ。俺たちに任せてもうしばらく寝ていろよ」
悪魔くん「そうはいかないよ。こうしている間にも彗星はどんどん日本に近づいているんだ」
メフィスト2世「分かったよ。どうせ止めても聞くような悪魔くんじゃないもんな」
悪魔くん「さあ、行こう」
こうもり猫「行ってらっしゃい。気をつけて」
百目「こうもり猫も来るんだモン」
こうもり猫「あ、やっぱし?」 情報屋「気をつけてなー」
貧太「無理するなよ、悪魔くん」 アナウンサー『臨時ニュースを申し上げます。突如出現した巨大な彗星が日本をめがけて落下しており、
このままでは日本を直撃することは、 間違いないとのことです』 ロソン「○×△☆♯♭●□▲★※」
リリス「…!」
悪魔くん「いたぞ」
リリス「あれは!」
悪魔くん「お前は誰だ!」
ロソン「貴様は悪魔くん。これはどういうことだ、リリス」
リリス「そんなはずは…!申し訳ありません。ロソン会長」
悪魔くん「ロソン?」
メフィスト2世、「そんな黒悪魔聞いたことないぜ」
ロソン「ふふふ。これならわかるだろう。ふははははは」
こうもり猫「バーコード」
百目「モン」 悪魔くん「お前はバラモン!」
メフィスト2世「悪魔くん、バラモンってのは」
悪魔くん「古代インドの黒悪魔で、数百の妖術を操る魔法の天才だよ」
バラモン「その通り。全てが金で動くこの時代。私の才能をもってすれば、
莫大な金を稼いで世界を牛耳ることも時間の問題だった。
だが、悪魔くん。お前のせいでそうのんびりはしておれなくなったのさ」
メフィスト2世「何言ってやがる」
バラモン「んははははは」
悪魔くん「メフィスト2世、時間がないよ。バラモンの魔法陣を破壊するんだ」
メフィスト2世「よし来た。魔力、稲妻電撃!うお、うわあ」
百目「メフィスト2世!」
こうもり猫「ダメみたい」
悪魔くん「大丈夫か?メフィスト2世」
バラモン「それしきの魔力でこの魔法陣を壊せるわけがなかろう。わははは」
リリス「ふっ、ふっ、ふっ」
こうもり猫「どうやらこのワンレンボディコンも女悪魔みたいでやんすよ」
リリス「お前たちに邪魔はさせないよ。バラモン様。さあ、早く」 魔獣「ガルルルル…」
メフィスト2世「悪魔くん、この魔術は」
悪魔くん「ゲマトリアだ。そうか、エレメンタルを使って僕を襲わせたのはお前だったんだな」
リリス「ふふふふふ。おとなしく傷の手当てでもしていればいいものを。だがどちらにせよもう遅いよ」
悪魔くん「え!」
バラモン「ふふ、あと数分後、このバラモンが霊魂爆弾を手に入れる」
悪魔くん「霊魂爆弾?そうか。メフィストが見たという霊魂エネルギーはこのためだったのか」
バラモン「さすが悪魔くん。いかなる霊魂をも操る石柱黒魔法陣によって、
世界各地から 黒悪魔となった人間どもの霊魂エネルギーを呼び集めたのだ」
悪魔くん「…」
バラモン「○×△☆♯♭●□▲★※」
魔獣「ガルルルル…」
こうもり猫「いよいよくるでやんすね」
百目「モンモン!」
こうもり猫「助けて!しっぽちぎれる!」
メフィスト2世「こうもり猫、待ってろ!」
こうもり猫「待てませんよー」
メフィスト2世「くらえ!魔力、稲妻電撃!」
こうもり猫「ビリビリビリ」
悪魔くん「…っ」
バラモン「ははははは」 アナウンサー『東京上空に達した謎の彗星は、猛威を振るいながら本州中部方面へ向けて落下しております』
茂・コハル・エツ子「ああ…」 バラモン「霊魂爆弾すなわち凄まじい霊魂パワーさえ手に入れれば、悪魔くん、お前たちなどもはや虫けらも同然。
やがて日本全土が、いや、世界中が私の操るがままになるのだ」
リリス「ふふふふ。さあ、覚悟するんだね」
メフィスト2世「見ろ、悪魔くん!」
悪魔くん「あ!」
メフィスト2世「ど、どうすりゃいいんだ。悪魔くん」
百目「悪魔くん!」
こうもり猫「早いとこ逃げましょうよ」
悪魔くん「バラモンだって魔法陣の外へは出られないはずだ。百目、メフィスト2世、君たちで援護してくれ」
百目「分かったモン。モーン!」
メフィスト2世「魔力、金縛りロープ!」
こうもり猫「あっしは名前呼ばれなかったもんね」
メフィスト2世「悪魔くん、今だ!」
悪魔くん「うん!」
こうもり猫「悪魔くん、頑張れ。あっし祈ってます」 リリス「ふふ、ムダだというのが分からないのかい?」
魔獣「ガルルルル…」
悪魔くん「くそ、たあっ!う、わあ!」
メフィスト2世・百目「悪魔くん!」
悪魔くん「あれは…見えない学校の魔輪」
リリス「きゃあああ!!」
悪魔くん「う…」
12使徒たち「悪魔くーん」
メフィスト2世「見ろよ、悪魔くん」
百目「見えない学校が助けに来てくれたモン」
バラモン「おのれ」
悪魔くん「ありがとう、見えない学校。行こう」
メフィスト2世「よーし」
百目「モン」
こうもり猫「待って」
バラモン「○×△☆♯♭●□▲★※」 悪魔くん「さあ、見えない学校。僕と一緒に、バラモンの黒魔法陣を打ち破るんだ。
君の力を貸してくれ(♪〜)」
鳥乙女「さあ、私たちも悪魔くんの手助けをするのよ」
メフィスト2世「よし、みんな」
バラモン「うおお。うおおおー!」
悪魔くん「(君たちはバラモンの魔力で黒悪魔にされてたんだよ。さあ、目を覚ますんだ。
そして元の綺麗な魂に戻って、自分たちの体にお帰り)」
12使徒たち「やったー」「やったモン」「やったぞう」 アナウンサー『本州中部に落下すると思われていた怪彗星は、突如姿を消した模様で、
当局もその原因について首を傾げております』
茂「良かった」
コハル・エツ子「ああ」
貧太「やったな」
情報屋「うん」 バラモン「頼む、命だけは助けてくれ。100憶、いや200憶、俺の稼いだ金は全部やる。だから命だけは」
メフィスト2世「けっ、どうせ人を騙して稼いだ金だろ。見損なうなってんだ」
悪魔くん「それより聞きたいことがあるんだ」
バラモン「な、なんでも聞いてくれ。なんでも」
悪魔くん「東嶽大帝はどこにいるんだい?君なら何か知ってるはずだ」
バラモン「あ、それは…」
リリス「ぐ…」
メフィスト2世「とっとと答えろ、バラモン」
バラモン「わ、分かったよ。東嶽大帝は…うっ、うわああ!」
悪魔くん・12使徒たち「!」
バラモン「おのれ、リリスめ」
リリス「気安く呼ぶんじゃないよ。私は東嶽大帝の123番目の娘。お前の監視役だったのさ」
バラモン「なんだと…」
リリス「とんだヘマをやらかした上に裏切ろうなんて、東嶽大帝を甘く見るんじゃないよ」
バラモン「うわああああああ!!」
リリス「悪魔くん、お前たちもだ。これ以上東嶽大帝に逆らってもムダってことさ。
勝負はとっくに見えてるんだからね」
悪魔くん「え」
鳥乙女「どうせ負け惜しみに決まってるわ」
リリス「今に分かるさ。あはははははは、あははははは」
メフィスト2世「くそー、素早いやつめ」 メフィスト老「悪魔くん、一大事じゃ。せっかく故郷でのんびり過ごそうと思っていたのに、
そうもいかんようじゃわい」
メフィスト2世「なーに、バラモンの事件なら無事に解決したぜ。しかし今度ばかりは親父のおかげで助かったよ。
伊達に年を取ってねえな。はははははは」
メフィスト老「わしが言っておるのはそのことではないわい。
色々調べてるうちにとんでもないことが分かったのじゃ、悪魔くん」
悪魔くん「え!」
メフィスト老「確かにバラモンのために人間界も危ないところだったが、これで一件落着。ところがじゃ。
いままさに魔界や他の世界では、ほとんどの悪魔たちが東嶽大帝に屈服し、味方につこうとしておるんじゃよ」
悪魔くん「な、なんだって!」 悪魔くん「博士!開けてください!ファウスト博士!
鳥乙女「ムダよ、悪魔くん。博士ったらこの間から部屋に閉じこもったまま返事もしてくれないんだもの」
悪魔くん「博士…」 悪魔くん「遂にソロモンの鍵の在処を見つけ出した僕たちは、海底深くに眠るシバの神殿へ向かう。
ソンコイの龍の攻撃をかわし、せっかく神殿に辿り着いたというのに、
僕はタブレットの中に閉じ込められ、そして12使徒の前にはシバの大魔神が立ち塞がる。
悪魔くん。ソロモンの鍵と究極の六芒星。
夢よ、とどけ君の心に」
『ソロモンの鍵と究極の六芒星』 悪魔くん「エロイムエッサイム、我は求め訴えたり!」
<ナレーター>
ソロモンの珠宝を手に入れた悪魔くんと12使徒は、
力を合わせて見えない学校を浮上させた。
今ここに魔界伝説が蘇ったのだ。 ファウスト博士「ゲホゲホ。もはやソロモン王の鍵の在処を知るには、この父上の遺された日記だけが頼りじゃ。
どこかに手掛かりが書いてあるはずじゃ。
ゲホッ。ああ、いかん。
ああ、これぞまさしくソロモン王の鍵の場所を記した古代魔法地図ではないか」 ファウスト博士「この地図を見ろ、悪魔くん」
悪魔くん「これは」
ファウスト博士「今をさることおよそ3000年前。ソロモン王の時代に書かれた古代魔法地図じゃ。
ここにこう書かれておる。
輝く12の星を従えし者、勇気をもって飛び降りよ。さすれば長き暗黒を抜け、
光り溢るるシバの神殿に至らん。ゲホゲホ」
悪魔くん「シバの神殿というと、ソロモン王がシバの女王のために建てた神殿ですね」
ファウスト博士「その通りじゃ、悪魔くん。そしてこの12の星というのは…」
百目「12使徒と同じ数なんだモン」
ファウスト博士「気がついたか、百目」
百目「へへ」
ファウスト博士「12の星とはすなわち12使徒、それを従える者は悪魔くんじゃ」
メフィスト2世「じゃあ勇気をもって飛び降りろっていうのはなんだ?」
ファウスト博士「この地球の3分の2を覆う海じゃ」 ファウスト博士「今から2憶2500年前。地球は全ての大陸が集まって超大陸パンゲアをつくっておった。
超大陸パンゲアは次第に分裂し、やがて今の状態になっていくのじゃが、その過程で6つに分かれた。
それを結ぶと…」
悪魔くん「“六芒星”になる」
ファウスト博士「この“六芒星”の中心に今は海の底深く沈んでしまった大陸がある。そこにシバの神殿があるのじゃ」 ヨナルデパズトーリ「大発見だわさ、博士」
悪魔くん「そこにソロモンの鍵があるんだ!」
メフィスト2世「よーし、早速行ってみようぜ」
百目「だモン」
悪魔くん「うん」
ファウスト博士「待つのじゃ!」
悪魔くん・百目「!」
ファウスト博士「行く手にはどんな困難が待ち構えているか分からんぞ。この日記の最後に父上はこう書かれておる。
シバの神殿へ至る道は険しく、我が命の火はもはや尽きんとしている。我の成し遂げられなかった夢を、
あとに続く勇気ある者に託す。心して行くのじゃ」
悪魔くん「はい」 悪魔くん「どんなに危険な旅になろうとも、僕たちはこれをやり遂げなくてはならないんだ。
行こう。究極の“六芒星”を完成させるために、シバの神殿へ。
見えない学校、浮上せよ」 ヨナルデパズトーリ「この位置だわさ。この真下にシバの神殿が沈んでいるのである」
ファウスト博士「見えない学校が力を貸せるのはここまでじゃ。さ、行くのじゃ。悪魔くん。
12使徒一人一人の勇気が、君を支えてくれるはずじゃ」
悪魔くん「はい」
ファウスト博士「シバの神殿には守り神である大魔神がおる。大魔神が目覚めぬうちに全てのことを成し遂げねばならぬぞ」
悪魔くん「はい、分かりました。みんな、行くぞ!家獣に乗って、シバの神殿に降りるんだ。いいね!?」
家獣「バウー」 家獣「バウー」
鳥乙女「わあ、綺麗」
百目「わあ、水族館みたいだモン」
大ダコ『…』
百目・鳥乙女・こうもり猫「!」
百目「あ、こら!見えないんだモン」
家獣「バウー。バウ。バウー」
百目「なんか狭くなってきたモン」
悪魔くん「家獣が水圧で押しつぶされているんだ」
12使徒たち「ええー」
悪魔くん「頑張れ、家獣。君の勇気が、シバの神殿への道を切り開くんだ」
家獣「バウー」
メフィスト2世「あ、見ろ、悪魔くん。底の方が明るくなって来たぞ」
鳥乙女「不思議だわ。こんな海の底でどうして?」 悪魔くん「シバの神殿だ」
メフィスト2世「ついにやったぜー」
12使徒たち「わーーー!」
家獣「バウー」
百目「何が起こったんだんだモン」
ソンコイの龍「ギャオー」
百目「わあ、あれなんだモン!」
悪魔くん「ソンコイの龍という悪魔だ」
鳥乙女「私たちのことを、神殿を荒らす悪者と思っているんだわ」
家獣「バウー。バウー」
12使徒たち「わー!」
こうもり猫「ちょちょちょちょ、こんなに揺れたら乗り物酔いしちゃうよ」
家獣「バウー」
こうもり猫「危ない!」
百目「モン!」
こうもり猫「潰れた…」 ヨナルデパズトーリ「悪魔くん、家獣は水圧で弱っておる。何とかせにゃやられるのである」
メフィスト2世「よーし、俺が助けに行ってやる」
鳥乙女「ダメよ。外に出たら水圧で潰されるわ」
メフィスト2世「くそー」
家獣「バウー」
悪魔くん「家獣、頑張るんだ。もう少しでシバの神殿に着く」
ソンコイの龍「ギャオー」
百目「また来たモン」
ソンコイの龍「ギャオー」
こうもり猫「怖いよー」
ソンコイの龍「ギャオー」
百目「ダメモン」
家獣「(ピカーッ)」
ソンコイの龍「……」
家獣「バウー」
12使徒たち「ほっ」 家獣「バウ」
メフィスト2世「あら、どうして水がないんだ?」
12使徒たち「?」
こうもり猫「あった。上だ。水は上でやんすよ」
悪魔くん「シバの神殿の持つ力が、海水を押し上げているんだ。すごいや」
こうもり猫「しかし、本当にあんなものが動き出すんでやんすかね」 幽子「悪魔くん、家獣さんが」
悪魔くん・12使徒たち「?」
豆ユーレイたち「家獣さん、家獣さん、元気出してー」
百目「家獣、 どうしたんだモン」
ヨナルデパズトーリ「家獣はここまでわしらを運ぶために、
魔力を使い果たしてしまったのである」
悪魔くん「ありがとう家獣。君の勇気を見せてもらったよ」
家獣「バ、バウー」
メフィスト2世「あれを見ろ悪魔くん」
悪魔くん・百目「!」
シバの神殿の悪魔たち「ピーピー」
百目「ひいー」
悪魔くん・12使徒たち「…!」 鳥乙女「ここは、私とサシペレレに任せて。みんなはシバの神殿へ。ピンクハリケーン!」
サシペレレ「竜巻大回転!」
悪魔くん「よし、今のうちだ!あっ!」
象人「怪力魔法だぞう」
悪魔くん「頼むぞ、象人!みんな早く!あ!」
百目「これじゃ先に進めないモン」
メフィスト2世「飛ぶんだ。うわあ」
妖虎「とても無理じゃ」
メフィスト2世「こんなところで手間取ってたら、大魔神が動き出すぜ」 妖虎「ユルグ、こうもり猫、わしと繋がって橋になるんじゃ」
こうもり猫「よいしょ、どっこいしょっと。わーっと…!」
妖虎「悪魔くん、この上を渡るんじゃ」
シバの神殿の悪魔たち「てやあー」
悪魔くん「えい!えい!」
こうもり猫「痛い。痛い。痛い。しっぽも腕もちぎれちまうー」
メフィスト2世「こいつらは俺に任せろ」
幽子「豆ユーレイちゃん、お願い」
豆ユーレイたち「ピンチになったらゆーれいひー。ここまでおいでー」
赤ピクシー「えいえい!」
青ピクシー「えい!」
シバの神殿の悪魔「このー」
メフィスト2世「てい!」
シバの神殿の悪魔「どわあ!」
こうもり猫「早く渡ってくれ!」
悪魔くん「ありがとう、みんな」 百目「なんて書いてあるんだモン?」
ヨナルデパズトーリ「ん?真の勇気を持たぬ者がこの扉を開けると、
それは死の扉を開けることになるであろう、と書いてあるんだわさ」
悪魔くん「この中にソロモン王の鍵が隠されているんだ」
百目「い、行くっきゃないモン。怖くないモン。平気だモン」 ヨナルデパズトーリ「あれがシバの像だわさ」
百目「見てるとなんだか胸の中がほんわかした気分になってくるモン。うわ!」
ヨナルデパズトーリ「う!」
悪魔くん「幽子、照魔鏡だ」
幽子「はい。照魔鏡!きゃあ」
悪魔くん「幽子!ああっ」
幽子「悪魔くん、早く行って。早く」
悪魔くん「うん!」 悪魔くん「…?…“六芒星”だ!」
メフィスト2世「悪魔くん!」
悪魔くん「危ない!」
メフィスト2世たち「!」
メフィスト2世「ただでさえ魔力が少なくなっているのに、そっくり吸い取られちまう感じだ」
悪魔くん「あ、みんな!あ!」
ヨナルデパズトーリ「う」
百目「はあ」
ヨナルデパズトーリ「石にされてわしらの魔力も吸い取られてしまったようだわさ」
12使徒たち「はあはあ…」「よいしょ…」
悪魔くん「あ…!」
メフィスト2世「あ。こ、これは」
ヨナルデパズトーリ「分かったである。ソロモン王の鍵とは、
悪魔くんのソロモンの笛の12の玉のことだったんだわさ」
百目「モン?」
妖虎「あの穴が鍵穴ということじゃな」
悪魔くん「みんな、あの穴にそれぞれの玉を埋め込むんだ」 メフィスト2世「よし、第一使徒の俺からだ。う…わあ!」
こうもり猫「何やってんだ、メフィスト2世。そんな板が怖いのか?」
メフィスト2世「そうか。みんなには見えないで、俺だけに見える幻想なんだ。勇気を出すんだ。
この、怖くねえ。はあ。よし、次だ。ユルグ」
ユルグ「うお、うう。はあはあ」
ヨナルデパズトーリ「負けてたまるかである」
幽子「きゃあ」
悪魔くん「(今の12使徒は、魔力を失って、何も頼るものがないふらふらの状態なんだ)」
百目「うう」
象人「やるぞう」
家獣「バウー」
悪魔くん「(頑張ってくれ、みんな)」
鳥乙女「うっ…」
こうもり猫「これで最後でやんすよ」
悪魔くん「ん?う、うわー!」 ソロモン王「よく、来たな。悪魔くん」
悪魔くん「あなたはソロモン王?」
ソロモン王「三千年の長きにわたり、私は一万年に一人しか現れぬという君を待っていたのじゃ」
悪魔くん「三千年もこの中で生きていたんですか?」
ソロモン王「いや、君が見ている私はこのタブレットの中に封じ込められた、
いわばエネルギーだけの私じゃ。
12使徒がタブレットに石を埋め込むことによって目覚めることが出来た」
悪魔くん「お願いです、ソロモン王。僕たちに究極の“六芒星”を教えてください。
東嶽大帝と戦うためには、究極の“六芒星”を完成させるしかないんです」
ソロモン王「確かに12使徒の勇気は見た。じゃが悪魔くん、君の勇気はまだ見せてもらってはいない」
悪魔くん「どうすればいいんですか!どうすれば僕の勇気を信じてもらえるんですか!」
ソロモン王「あれを見るがよい」
悪魔くん「え」
ソロモン王「一旦あの中に入ったら光さえも出てはこれない。あの中にソロモンの笛を投げ込むのじゃ」
悪魔くん「ええ!でもそんなことしたら…」
ソロモン王「君の勇気とは、ソロモンの笛に頼らなければならないものなのか?」
悪魔くん「…」 こうもり猫「出たー」
大魔神「シバの神殿を汚す者は許さん。直ちに立ち去れ!」
ヨナルデパズトーリ「待て。わしらは悪い者ではないんだわさ」
百目「そうなんだモン。一万年に一人現れる悪魔くんに選ばれた12使徒なんだモン」
大魔神「誰であろうと直ちに立ち去るのだ。さもなくば」
こうもり猫「ま、魔力が使えないっていうのにこんな大物とどうやって戦うんだよー」
12使徒たち「…!」 悪魔くん「(この笛のおかげで、今まで沢山の困難にも立ち向かってこれたんだ。それを捨てるなんて)」
ソロモン王「まだ迷っているのか。君は夢を忘れたのか。世界のすべての者たちが互いに手を取りあって、
仲良く暮らせる世界をつくるという夢を」
悪魔くん「!」
ソロモン王「それを実現させるためには、ソロモンの笛を捨ててでも戦うという真の勇気が必要なのじゃ」
悪魔くん「勇気…。(ソロモンの笛を捨てることが僕の真の勇気?
この笛が無かったら僕はこれから戦うことが出来るんだろうか。
12使徒は魔力を無くしても勇気を失わなかった。それこそ真の勇気)」
ソロモン王「さあ、真の勇気を見せてもらおう」
悪魔くん「うん。僕の夢に届け!えい!」 12使徒たち「!」
鳥乙女「悪魔くん!」
悪魔くん「シバの大魔神!待て、待つんだ!」
大魔神「そこをどくのだ。神殿から立ち去れ!」
悪魔くん「いいや、どかない。この神殿の守り神である君には、僕たちの心が通じるはずだ」
百目「悪魔くーん」
『(♪〜)』
悪魔くん「ソロモンの笛だ。ソロモンの笛がひとりでに鳴っている」
メフィスト2世「あ、タブレットが…ま、魔力が戻って来るぜ」
12使徒たち「う…」「よいしょ」「バウー」
悪魔くん「ソロモンの笛が僕に」
ヨナルデパズトーリ「タブレットに隠されたソロモン王の偉大なる力が、
すべてその笛と12の玉に移ったのである」
悪魔くん「大いなる夢の実現のために、12の星となり、輝け。究極の“六芒星”」
シバの大魔神「……」 ソロモン王「よくやった、悪魔くん。君の真の勇気に、ソロモンの笛自身が、正当な持ち主として君を選んだのじゃ。
私の役目は終わった。あとは君たちの力で、東嶽大帝の邪悪な力から全ての世界を解放するのじゃ。
行け、大いなる勇者たちよ」
悪魔くん「…」 ファウスト博士「父上、父上の果たせなかった夢を我が生徒たちが見事に果たしましたぞ。
でかしたぞ。悪魔くん。12使徒たちよ。いよいよ決戦の時が来たのじゃ」 悪魔くん「東嶽大帝の息子の悪魔王子バルバドスたちが動き出した。
その魔力は四賢人や八仙人を封じ込め、そして音楽発表会のエツ子や貧太くんたちにまで危機が迫るんだ。
今まで出会った事のない強敵に、僕はどうしたらいいんだ。
悪魔くん。地上に降りた最強の悪魔軍団。
夢よ、とどけ君の心に」
『地上に降りた最強の悪魔軍団』 悪魔くん「エロイムエッサイム、我は求め訴えたり!」
<ナレーター>
ソロモンの珠宝を手に入れた悪魔くんと12使徒は、
力を合わせて見えない学校を浮上させた。
今ここに魔界伝説が蘇ったのだ。 東嶽大帝「息子たちよ。もはや悪魔界は、完全に我が手に落ちた。
このわしの力の前に、全ての世界がひれ伏すのも時間の問題だ」
バルバドス「おめでとうございます。父上」
東嶽大帝「しかしまだ目障りな連中も残っておる。悪魔王子バルバドスよ。
蓬莱島の八仙人とインドの四賢人らの力を封じ、悪魔くんを倒してソロモンの笛を奪うのだ」
バルバドス「かしこまりました」
東嶽大帝「今こそ、このわしの偉大なる力を見せてやる。わーっはっはっはっはっは」 ヨナルデパズトーリ「妖精界からSOSだわさ」
悪魔くん「い、一体どうなってるんだ。各地に情報収集に飛んでいった魔眼から軒並みSOSが入るなんて」
メフィスト2世「こりゃただ事じゃないぜ」
ファウスト博士「む、まさか…ん」
百目「悪魔くん、妖虎が病気なんだモン」
悪魔くん「なんだって!」
鳥乙女「急にぐったりして動けなくなっちゃったの」
ピクシー「僕たちの薬も効かないんだよ」
悪魔くん「博士、これは一体」
ファウスト博士「考えられることはただ一つ。東嶽大帝がその力でもって崑崙山の天井の光を遮断してしまったのじゃ」
悪魔くん「崑崙山?中国の?」
メフィスト2世「そうか。それで妖虎の魔力が弱っているんだ」
ファウスト博士「妖虎だけではない。影響は白悪魔全部に出るはずじゃ。
長引けば、みんなの魔力も失われるだろう」
こうもり猫「そ、そんなー」
悪魔くん「ついに東嶽大帝自らが動き出したのか」 茂「母さん、確かエツ子の番はこの次だったよな」
コハル「ええ、そうですよ。何だかこっちの方がドキドキしますね」 エツ子「(い、いよいよ私の番ね。ひょっとしてこの舞台が、
芸能プロのスカウトかなんかの目に留まったりして)」
(芸能プロ「素晴らしい才能だ!ただちに彼女と契約するんだ」)
エツ子「そして私は芸能界へ華麗なるデビュー!
たちまち人気者になって、美少年組と共演したりして…)
ん、あ、び、美少年組!」
情報屋「美少年組?ど、どこに?」
エツ子「ううん、何でもないのよ」
貧太「変なエッちゃん」 父兄たち「……」
茂「さあ、いよいよだぞ、母さん」
父兄たち「わあー!……」
キリヒト「えー次は、埋れ木エツ子さんのリコーダーの独奏です」
茂「わあ……」
コハル「……」
キリヒト「ではエツ子さん、どうぞ」
エツ子「拍手がない。あ」
父兄たち「……」
エツ子「ど、どうなってんの。あ、あんた何よ。ちょっと離してよ。誰か助けて」
貧太「離せ」
情報屋「首が苦しい」
キリヒト「ああ、主よ」
貧太「ちくしょー。離せよ。いて。僕たちに何の用があるんだ」
バルバドス「ふふふふ。お前らは悪魔くんの命と引き換えにする餌や」
貧太「悪魔くんの命と?」
エツ子「なんで?なんでお兄ちゃんの命なんか欲しがるのよ」
バルバドス「ふふ」 フランネール「四賢人様がやられるとは…。もはや頼れるのはこの方しかいないのだ…」 メフィスト2世「あれは、悪魔くんの学校じゃないか」
悪魔くん「…」
百目「あ、あれ見てモン」
悪魔くん「あ、エツ子!」
百目「貧太くんに情報屋、キリヒトくんもいるモン」
バルバドス『ははははは。悪魔くん』
悪魔くん「悪魔王子バルバドス!」
バルバドス『ごらんのとおり、エツ子と三人組は預かった。無事に返してほしくば、
ソロモンの笛を渡して降伏するのだ。ははははは』
メフィスト2世「ひ、卑怯な」 バルバドス『選択の余地はない』
エツ子『きゃあ』
バルバドス『一時間経つごとに人質を一人ずつ殺す。まず、エツ子からだ』
エツ子「きゃあー!』
悪魔くん「エツ子!」
エツ子「お兄ちゃーん、怖いよー。お兄ちゃーん。ちょっとあんたやめてよ」
メフィスト2世「エッちゃん…」
百目「悪魔くん…」
バルバドス『待ってるぞ、悪魔くん』
メフィスト2世「あ、魔眼がやられた」
悪魔くん「…!」
ヨナルデパズトーリ「バルバドスは東嶽大帝の息子で、
悪魔の中でも血も涙もない残虐非道な悪魔として、恐れられているのである」
ファウスト博士「どんな固いものでも貫き通す剣を持ち、分身の術と蜃気楼の術の名人で、
しかも魔力を食ってしまうことが出来るのじゃ」
悪魔くん「…」
百目「エッちゃんはどうなるんだモン」 エツ子「…これは夢を見ているんだわ。悪魔なんかいるはずないもん」
情報屋「夢なんかじゃないよ。現実だよ」
エツ子「だって、あのお兄ちゃんがそんな…」
貧太「悪魔くんは、黒悪魔軍団から世界を守るために生まれた、一万年に一人の人間なんだ」
エツ子「ええ…!」 メフィスト2世「何を迷ってんだ!すぐにエッちゃんを助けに行こうぜ」
悪魔くん「だけど、今エツ子を助けに行ったら、東嶽大帝の思う壺だ。
混乱はますます大きくなってしまう。…?」
メフィスト2世「…ばかやろー!」
悪魔くん「うっ」
こうもり猫「な、何をするんでやんすか!」
メフィスト2世「離せ!」
ユルグ「落ち着くんだ。メフィスト2世。落ち着け。落ち着け」
メフィスト2世「見損なったぜ。エッちゃん一人を助けられない悪魔くんに世界が救えるか!」
鳥乙女「悪魔くんだって苦しいのよ。自分の肉親だもの。本当は真っ先に助けに行きたいはずよ」
幽子「う…うう…」
メフィスト2世「俺たちは、悪魔と人間が仲良く暮らせる平和と幸せの王国を築くために戦っているんじゃないか!
ここでエッちゃんや貧太くんたちを見捨てたりできるか!」
百目「そうだモン、悪魔くん」
悪魔くん「…」
幽子「悪魔くん、行きましょう。エツ子ちゃんを助けるの」
悪魔くん「…」
妖虎「そう、その通りじゃ。悪魔くん」
悪魔くん「妖虎…」
こうもり猫「大丈夫なのか?妖虎」
妖虎「及ばずながらわしも力を貸すぞ」
悪魔くん「ありがとう。ありがとう、みんな…」
12使徒たち「悪魔くん」「よいしょ」「バウー」
ファウスト博士「みんなの心は一つじゃ。見えない学校よ。すぐに悪魔くんの学校に向かうのじゃ」 フランネール「や、やったぞ。し、視鬼魅様。あなたの力が必要なのです。
どうか鏡よりお出ましください。視鬼魅様!」 バルバドス「現れたな、見えない学校」
エツ子「え、どこ?」
貧太「僕たちには見えないけど、悪魔くんが助けに来てくれたんだ」
貧太・情報屋・キリヒト「悪魔くーん」
エツ子「お兄ちゃん、お兄ちゃーん」
エツ子・貧太・情報屋・キリヒト「わあー!」
バルバドス「うるせえんだよ、お前らは」 メフィスト2世「あ、エッちゃん」
悪魔くん「バルバドス、エツ子やみんなを離せ!」
バルバドス「言っただろう。ソロモンの笛を渡して、悪魔くんが降伏したらだ」
メフィスト2世「寝言を言うんじゃねえ!俺たち12使徒に敵うとでも思ってるのか!」
鳥乙女「そうよ!」
家獣「バウー」
こうもり猫「やいやいやいやい。どっからでもかかっていらっしゃい」
バルバドス「こいつはお笑い草や。12使徒の力でわてらに歯向かうやて」
こうもり猫「な、なにがおかしいんだよ!」
バルバドス「ふふふふふ」
悪魔くん「あ!」
ヨナルデパズトーリ「あれはインドの四賢人である」
バルバドス「まだあるで。これを見ろ」
悪魔くん「あ、八仙人までが…」
こうもり猫「これはとても敵わないでやんすよ。よーく考えましょうね。みんな」
バルバドス「悪魔くんさえソロモンの笛を差し出して降伏すれば、全員が助かるんだ。
こんな得な取り引きはないだろう。それとも」
悪魔くん「エツ子!」
メフィスト2世「エッちゃんに何しやがる!…
稲妻電撃が食われた!」 ファウスト博士「見えない学校よ、頼むぞ」
百目「あ、魔煙だモン」
こうもり猫「やったね!よいしょ!よーし、今のうちだ」
バルバドス「ムダや。ムダや。わいらに魔煙など通じんわい。さあ、そこから降りてこい。悪魔くん」
悪魔くん「く…」
12使徒「…」「くそー…」
悪魔くん「僕は誰も犠牲になんかしたくない!」
百目「うう…悪魔くん」
悪魔くん「メフィスト2世、僕をバルバドスたちのところへ連れて行ってくれ」
幽子「悪魔くん」
メフィスト2世「…」
こうもり猫「降伏なんかしたら何されるか分からないでやんすよ!」
悪魔くん「お願いだ、メフィスト2世」
メフィスト2世「…分かったぜ、悪魔くん」
12使徒たち「悪魔くん」 バルバドス「まずソロモンの笛をよこせ」
悪魔くん「さあ、みんなを離してくれ」
バルバドス「ふふふふふ」
悪魔くん・メフィスト2世「?」
バルバドス「それはお前の命を奪ってからや」
12使徒たち「悪魔くん!」
メフィスト2世「卑怯な!」
悪魔くん「エツ子!」
バルバドス「ん?お、お前は!」
ヨナルデパズトーリ「本物はここだわさ」
バルバドス「おのれはいつの間に!」
サシペレレ「魔煙で見えなくなった一瞬に入れ替わったんだ」
ヨナルデパズトーリ「ファウスト博士との見事な連携プレーである」
バルバドス「くそー」 鳥乙女「さあ、みんな今よ」
家獣「バウー」
こうもり猫「あ、待って。あっしも。よいしょ」
バルバドス「ふん、お前たちが束になってかかってこようが勝ち目はないぞ」
12使徒たち「!」
悪魔くん「分身の術だ」
メフィスト2世「片っ端からやっつけてやらぁ!」 フランネール「神々のピンチを救えるのは、視鬼魅様しかいないのです。
このままでは天上の光は永遠に失われて、暗黒の世となってしまいます」 悪魔くん「てやあ!」
ユルグ「コーンエッサムコーン!」
百目「ポーン!」
象人「行くぞう。やるぞう。とう、うわ」
幽子「きゃあ」
鳥乙女「ピーンクハリケーン!きゃっ」
こうもり猫「あー夢なら覚めて。夢じゃなかった」
メフィスト2世「魔力、絶対零度!うわあ」
妖虎「ガオー。うおお」
悪魔くん「やあ!」
百目「ポーン!」
悪魔くん「妖虎!妖虎、しっかりするんだ!」
妖虎「わしはもうダメじゃ。ま、魔力が…」
悪魔くん「妖虎…」
幽子「きゃあー!」
悪魔くん「!」
百目「目が回る〜」
サシペレレ「うっ」
悪魔くん「!」
メフィスト2世「う…」
こうもり猫「よいしょ!」
メフィスト2世「うぐ」
バルバドス「今度こそ。最期やで」
魔輪『ドドドドドドッ』
バルバドス「うがあ」 悪魔くん「(♪〜。笛よ。平和を願う僕の思いを、全ての世界に届けてくれ。奇跡を起こしてくれ)」
フランネール「おお、ソロモンの笛の音が。視鬼魅様!」
悪魔くん「(僕の力は奇跡を起こすにはまだ足りなかっ…)うっ…」
バルバドス「はははははは」 視鬼魅「魔鏡よ、天上の道を開き、その光を再び溢れさせよ」
バルバドス「死ね!これで全ての世界は父上のものとなる。
どわあああ、ぎゃああああああ!!」
漢鍾離老人「天上の光が戻った今、お前たちには勝ち目はない。韓湘子、逆封じじゃ」
韓湘子中年「(ササッ)」
バルバドス「ぐおお……」 悪魔くん「あ…」
視鬼魅「悪魔くん、どうやら間に合ったようだな」
悪魔くん「視鬼魅。あなたは平和な世の中になるまで鏡の中で眠ってるはずだったのに」
視鬼魅「謝ることはない、悪魔くん。君のソロモンの笛と、
12人の仲間たちの心が一つになって、わしを鏡の中から呼び出したのじゃ。
おかげでわしは自分の魔力を天上の神々のために初めて役立てることが出来た」
悪魔くん「そうか。四賢人も八仙人も崑崙山に仕える神々だったんですね」
漢鍾離老人「その通りじゃ。君が東嶽大帝と互角に戦えるまで成長するのを、この地上で見守っていた」
遊行賢人「しかし悪魔くん、もう一刻の猶予もないぞ。東嶽大帝は、地獄界と妖精界を我が物とするため、
9900万の黒悪魔軍団を出撃させるつもりじゃ」
悪魔くん「9900万の黒悪魔軍団を!?」
視鬼魅「天上界の神々がじゃ。アニマムディの魔境に告げてくれた。東嶽大帝は、東嶽廟の地下の魔空間にいる」
悪魔くん「東嶽廟の地下に!」
視鬼魅「そうだ、きっとどこかに入り口があるはずだ」
悪魔くん「…」 ファウスト博士「悪魔くん」
悪魔くん「?」
ファウスト博士「どうやらわしの使命は終わったようじゃ」
遊行賢人「ファウスト博士はわしらと残る。今度は君たちだけで見えない学校を動かすのだ」
12使徒たち「えー!」
ファウスト博士「あとは君たちが戦うのじゃ。人間と悪魔が仲良く暮らせるユートピアの実現のために」
12使徒たち「博士―!」「ファウスト博士ー!」
悪魔くん「分かりました、今度はこっちから東嶽大帝に決戦を挑みます!」 エツ子「お兄ちゃん…」
貧太・情報屋・キリヒト「…」
悪魔くん「エツ子、みんな。僕は行かなければならないんだ。でも、きっと東嶽大帝を倒して戻ってくるよ」
エツ子「百目ちゃん、メフィスト2世さん…」
百目「エッちゃん、笑って!泣いちゃいやだモン」
メフィスト2世「帰ってきたら、今度はエッちゃんにラーメン作ってもらうからな!」
エツ子「…うん」 エツ子「(♪〜)」
茂・コハル・父兄たち「…」
エツ子「…」 悪魔くん「東嶽大帝のいる悪魔城へ、いよいよ僕たちは乗り込む。
魔空間で待ち受ける黒悪魔軍団とリリス。
激しい戦いの中で、ユルグが、鳥乙女が、そして、見えない学校が傷ついていくんだ。
僕達の夢、勇気が、今大きく燃え上がろうとする。
悪魔くん。魔空間に突撃!急げ、見えない学校。
夢よ、とどけ君の心に」
『魔空間に突撃!急げ、見えない学校』 東嶽大帝「わしの息子たちバルバドスもやられたか。だらしがない!
リリスよ。9900万の黒悪魔たちに号令を出すのだ。
地獄界、妖精界に向かって全軍出撃せよ、と」 メフィスト2世「悪魔くん、大分上達したみたいだな」
百目「揺れも少ないし、快適だモン」
悪魔くん「いやあ、見えない学校が自分から動いてくれてるんだよ」
ヨナルデパズトーリ「見えない学校はそれ自体が生きているのである。
悪魔くんの力次第で、まだまだ秘めたる能力を発揮するはずである」 鳥乙女「悪魔くん、もうすぐ東嶽廟に到着するわよ」
悪魔くん「…」
ヨナルデパズトーリ「かつては東嶽大帝も、ここで神に仕えていたのである。
それが今は闇の大魔王となって、全ての世界に君臨しようとしているんだわさ」
メフィスト2世「このどこかに、魔空間への入り口があるんだ」
幽子「感じるわ。すごい霊気よ」 こうもり猫「霊気だ」
鳥乙女「震えてるの?こうもり猫」
こうもり猫「む、武者震いでがんすからね」
鳥乙女「ふふ」 悪魔くん「あ…」
メフィスト2世「悪魔くん、あれ」
ヨナルデパズトーリ「間違いない、魔空間への入り口である」
悪魔くん「突っ込むぞ」 百目「ん。何だモン?」
幽子「あ…」
こうもり猫「うーん、どっちが逆さまでやんす?」
百目「・・・目が回るんだモン」 悪魔くん「あ!あ…」
鳥乙女「な、何なのよ、あんたたち」
幽子・ピクシー・百目・こうもり猫「ひい…」
ヨナルデパズトーリ「悪魔竜ヒドラである」
メフィスト2世「へっ、ぶっ細工なやつ」
ヒドラ「ギャオ―」
幽子「来るわ」 悪魔くん「よけるんだ!見えない学校」
メフィスト2世「あ!悪魔くん、魔眼がやられた!」
悪魔くん「…!」
ヒドラ「ギャオ―」
メフィスト2世「あの首をぶった切らないと、埒が開かないぜ。魔力、ハットノコギ…う、わあ」
ガミジンたち「ぎゃーっはっはっはっは」
悪魔くん「ガミジンに、グレムリンだ」
鳥乙女「行くわよ」
百目「ああ、ボクも行くモン。待ってモン」
こうもり猫「あ、あら。ねえ、ちょっと、ちょっと」
家獣「バ、バ、バ、バウー」
こうもり猫「ちょっと、あっしも行くでやんすよ。置いていかないで」
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