REIT価格はなぜ下落しているのか。

理由の1つ目は、都心マンションの利回りが大きく低下していることです。
一昨年、去年と、都心マンションでは投資価格(購入価格)が上昇したことにより、物件を購入して賃貸とした場合の想定運用利回りは6%に満たない状況となっていました。
この状況から一変し今では4%が基準になりつつあります。
なぜこのような状況へと変化したかです。
投資物件を買うとしても銀行融資がなかなか通らなくなってきています。また投資物件の販売数も多くなり、売れなければ価格を下げるという循環に入ったからと言えます。

理由の2つ目は、都心マンションの空室率は2割に達しているのでこれから先の投資利回りがさらに下がると言うことです。
東京23区の賃貸マンション空室率は既に千代田区36%、中央区28%、目黒区28%となっています。
事実、今、賃貸物件の賃料は下落し始めています。
不動産調査会社の東京カンテイによれば、年間としての首都圏分譲マンションの賃料は3年連続の前年比2%以上の上昇となっていますが、しかし既に去年10月の首都圏分譲マンションの賃料は前月比2.1%マイナス、東京都では0.8%マイナスなのです。
そんな状況では、都心マンション物件に多くの投資・運用しているREITは投資家に分配金を出せません。
その為、新たに資金が集まらない為不動産を買いたくても買えなくなるという悪循環に陥っているのです。
この状況は2016年から続いていて、2017年に入りさらなる悪循環となっています。
しかも、2015年から始まった相続税増税がこの状況に拍車をかけ、さらなる空き家増加へと進んでいるのです。