「忙しいはありがたい」? 新採用教員にブラック職場「肯定」冊子 千葉県総合教育センター
2023年3月20日 06時00分

 千葉県内の公立小中高校などの新採用教員向けの冊子の一部に、長時間労働など職場の「ブラック環境」を肯定・助長するような記述があり、3月中にも改訂版を出すことが関係者への取材で分かった。
学校現場からは「時代錯誤だ」などと異論が噴出していた。
冊子を作成した県総合教育センター(千葉市美浜区)の担当者は「(時間外労働の削減という)時代の流れに合っていないと指摘されても仕方がないと思う」と話している。

◆「明らかに時代錯誤」
 問題の冊子は、同センターが2013年に公表した「学級づくりガイドブック」。
子どもと保護者との人間関係のつくり方や、規範意識の育て方などが31ページにわたってつづられている。
このうち、複数の現職教員が疑問視するのが「教師としての在り方」と題された項目。
「『忙しい』は『ありがたい』ことと考えましょう。自分が成長するチャンスです」「心がけたい言葉は『私にやらせてください』」と記載されている。

 4月に新採用された教員は同センターのホームページから冊子をダウンロード。
県教育委員会は15年度以降、課題リポートを採用校に提出させている。
 小学校のベテラン男性教員は「特に若手の現職教員から反発が大きい。こんなことをやっていると、職場や自分の将来が心配になる気持ちが分かっていない」と指摘。
高校講師の男性は「学校現場は多忙が実情。『忙しいと感じることは仕事が下手だから、悪いこと』と言わんばかりだ」と憤る。
 4月に県内公立学校に教諭として着任予定の大学4年生の男性(22)は「参考になる部分もあるが、明らかに時代錯誤な文言に誰も異論を唱えず、自分たちに読ませることが不思議。
教育現場に古い体質が残っていると感じてしまう」と残念がった。
https://www.tokyo-np.co.jp/article/239023
千葉県の新採用教員向けの冊子「学級づくりガイドブック」
https://www.tokyo-np.co.jp/article_photo/list?article_id=239023&pid=956825
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