日本で初めて、公道を使ったレースが開催されることが明らかになった。
その開催地は、島根県江津市である。
この公道レースは「A1市街地グランプリ江津大会”GOTSU 2020”」と名付けられ、JR山陰本線江津駅前を含む1周1.7kmのコースを設定。
2020年9月20日にレースが開催される。
これまで日本国内の公道でモータースポーツが行われたことはなく、F1マシンが公道でデモ走行を披露したのも数例のみといった状況だった。
モナコやシンガポール、マカオなど、世界各地で公道レースが行われているが、日本でそれが実現したことはなかった。
公道レースを可能にする法案が、国会に提出されるべく準備されているが、現時点ではまだ審議入りしていない。
ただ今回、江津市全体の協力の下、日本で初めての市街地レースが実現することになった。
江津市は日本の首都東京から最も遠い街とも言われており、人口も2万4000人あまり。”消滅可能性都市”とも言われている。
そんな街を舞台に、今回のレースが開催される。
このレースを走るのはレンタルカート。これをエントリー車両にすることで、市街地レース開催への道筋が開けたという。
当日は16台のマシンが、市道や国道、県道などの主要道路を走行。
コース設計と安全対策には、松江工業高等専門学校の大屋誠博士と、F1解説でもおなじみの森脇基恭氏が協力。
日本初の市街地コースとして、日本自動車連盟への臨時コース公認の申請も準備中だという。
このグランプリの名称になっているA1とは、”Anyone=誰もが”という意味。
これをテーマに、観戦する人、競技に参加する人、イベントを支える人の全てが新たなことにチャレンジし、
最先端の考え方や技術に触れ、体験できる場を創造することを目的にしているという。
同レースのオーガナイザーを務めるA1市街地レースクラブによれば、開催初年度はレンタルカートでのレース開催する「新たな挑戦”Breakthrough”」がテーマ。
しかし翌年以降はこれを徐々に拡大し、2年目は「進化”Evolution”」として、自動車レースの枠組みを超え、
あらゆる最先端技術の実験や発表を行う「市街地展示場」にするという。
また3年目には「創造”Creation”」をテーマに、環境に優しく未来に持続可能なオリジナルEVマシンを開発し、
予選会をeスポーツで行うことで、誰でも気軽に参加できるレースを目指すという。