野村監督が時々使う
「現在では、以前とは比べ物にならないほど野球が緻密になり、進化している」
ならぬ
以前とは比べ物にならないほど教育が緻密になり、進化している。

野村先生は他のクラスと比べてもテストの成績が低い阪神学級では、学級の成績をアップさせたとは言い難いが、生徒赤星君、矢野君、藤本君らの素質を発掘した。
しかし、野村先生が生徒濱中おさむ君をえこひいきし過ぎたために、生徒関本君の生徒の一本立ちの時期を逃がしたと、後の阪神学級の担任となる岡田先生は指摘する。

当時の野村監督と久万オーナーとのやりとりにもあった
「監督が変わればチームも変わるんじゃないの?」「監督だけでチームを強くできたのは根性野球、精神野球の時代です」
とか
「野村監督ならエースや4番打者を育てられるんじゃいの?」「エースや4番は育てられないというのが私の持論です」「今の野球は、お金がかかるんです(いい選手を連れてくるのに)」
を学校教育に当てはめると
今の時代、教師だけ変われば(変えれば)学級づくり、学級内容チームも変わるのか?
学校の先生が、勉強でいう学級内のエースや4番打者みたいな生徒を簡単に育てられない。
今の教育とは、塾や予備校、家庭教師のようなところに通わないと受験校の入試問題の出題予想や答案の書き方テクニックは手に入らない
(これは司法試験や公認会計士など難関資格試験でも、資格試験予備校に通わないと独学では合格は無理という点で共通している)から、お金がかかる。

監督だけ変えても、チームは強くできない。
教師だけ変えても、学級づくりはできない。

野村監督は「監督の賞味期限が短い」「監督学・帝王学を学ぶ機会がなく、身に付ける前にクビになるから若い監督は育たない(古田などいい例)」と言う。

教師も賞味期限が短く、本当の教師学・教育学を身に付ける前にクビになるから、教師が育たないのかも知れない。

「勝てないのは監督が悪い」監督批判をする心ない野球ファンなど、「成績が悪いのは先生の教え方が悪い」などと学校で教師批判をするモンスターペアレントや生徒と一緒。

結局は、野球ファンやフロントも、また生徒も親も、監督や教師を選ぶ際に「タレント性」「アイドル性」「スター性」だけで選んでいる。
間違った監督選び、教師選びをしている。