>>347
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組版機は価格も高かったが、生産性も信頼性も高かった。
日本人が日本語組版のために作った機械だから、かゆいところに手の届く機能が充実していたし
何かのトラブルがあれば、電話一本ですぐにサービスマンが飛んできてくれた。

しっかりとシステムから組み上げられている専用機とは違い、当時のマックは専門書に
「しょっちゅう爆弾が出るので、こまめに保存しながら作業しましょう」
などと書かれるほど信頼性が低かった。
「とにかく安いから」とマックを導入したはいいものの、その動作が不安定なために、
本業の組版だけでなくマックそのものの面倒もみなければならず、オペレータの負担増となる。

さらにDTPの場合、設備や機械もそうだが、そこで作ったデータも会社の財産だ。
例えば名簿のように、基本的なフォーマットは変わらず中の文字だけが
毎回変わるという原稿の場合、最初に組版機で作ったデータを何度も利用することが多く
営業もそれを前提として納期を決めるから、わざわざ作り直すのは色々と無駄がある。
特に文字組版、ページ物をメインにやっていた印刷所は、
かなり長いこと組版機メインで稼働していたのではなかろうかと思う。