「猫を捨てる人」がフランスで激増した悲しい事情

エマニュエル: 現在フランスでは、ペットとしては犬が800万匹、猫1400万匹、ウサギやハムスターなどの小動物が400万匹飼われている。
一方で、2021年の5月から8月までに、国内最大規模の動物保護施設では1万7000匹もの動物が保護されたそうだ。

1年間ではおそらく10万匹以上のペットがフランス国内全体で引き取られたとされている。
この数は過去最多で、最も引き取り数が多かった動物が猫だ。動物保護協会(SPA)によると、2019年比で猫の保護数が2021年では30%も増加した。

SPAは1845年に発足した。フランスの動物保護分野では最も大きく、有名な協会だ。各地に55の保護センタ―が設置され、
迷子や遺棄、虐待などされた動物を保護し、身元の確認や避妊手術、ワクチン接種、治療、しつけの教育などをして新たな飼い主を探している。

エマニュエル:だた、現在このSPAの保護施設はほぼ満杯で、新たな受け入れがなかなかできない状態で、これは発足以来初めてのことだそうだ。

では、なぜこんなに急にペットの引き取りが増えてしまったのか。
それはもちろんコロナの影響だ。2020年、2021年でのロックダウン中に、結果や責任を深く考えることもなくペットを飼う人が増えてしまった。

家にこもっている間の孤独を少しでも紛らわせたいと考えたからだ。そのほかにも、ロックダウン中の外出は厳しく取り締まられている中、
買い物、病院の診察や介護、通勤以外に犬の散歩が外出理由として許されていたことがある。
このために、犬を飼うことを安易に決断した人が少なくはなかったと、保護施設の職員は言っている。

そして、ロックダウンが終了し、ひとたび夏が来てバカンスシーズンになると、途端にペットが邪魔になって捨ててしまう。
このため、5月から8月にかけてのペットの引き取りが最も多い。
また、コロナはペットと人との間でも感染するというニュースが流れたことで、感染を恐れてペットを手放す飼い主もいたそうだ。

エマニュエル : 保護施設に引き取られた動物の中には、たくさんの子猫がいて、これもロックダウンの影響で、
去勢手術が例年通りに行えなかった猫が多くいたためだ。

こうして生まれた子猫を保護施設に引き渡しに来るケースが多く、子猫の引き渡しは2019年比の20〜30%増加となった。
SPAの職員によると、去勢手術がなければ、1組の猫のカップルから4年間で2万匹もの繁殖につながるということだ。
https://news.yahoo.co.jp/articles/40c253030c2914a8a34f5aa0621fe700915c30c1?page=1
https://news.yahoo.co.jp/articles/40c253030c2914a8a34f5aa0621fe700915c30c1?page=2
https://news.yahoo.co.jp/articles/40c253030c2914a8a34f5aa0621fe700915c30c1?page=3