日本にも数百万人? モノを手放せない「ためこみ症」の原因・治療法・周囲の接し方

テレビなどで報道される「ごみ屋敷」。
その全てに当てはまるわけではありませんが、当事者の中には、「ためこみ症」という精神疾患の人が含まれているそうです。
どのような病気なのでしょうか。臨床心理学の分野で「ためこみ症」の研究に携わる、上越教育大学大学院
臨床心理学コース教授の五十嵐透子さんに聞きました。

Q. 何が原因で発症するのですか。

五十嵐さん「神経伝達物質という、脳の細胞間で情報を伝える際に機能している『セロトニン』『ドーパミン』などの
バランスの崩れや、脳の特定部位の機能が異常な動き方をする、などの原因が考えられていますが、はっきりと
確定しているわけではありません。当人にとって非常につらい経験をしたことが引き金になって発症する場合もあります。
20歳以下で44〜70%が発症していて、発症の平均は12歳ごろというデータもあります」

Q.多くの捨て犬や捨て猫を拾って自宅で飼い、ふん尿の臭いで周囲に迷惑をかけている人についての報道も見かけます。
この人たちも「ためこみ症」なのでしょうか。

五十嵐さん「全ての人がそうとは断定できませんが、『動物ためこみ症』という状態があります。
これは『ためこみ症』の一種で、対象がモノではなく“動物”になっています。ためこむ動物は猫が多いです。
日本でどれくらいの人が『動物ためこみ症』なのか、全体像は分かっていません。
動物にとって、栄養や保護が十分でなく、使用できるスペースに多くの動物が飼われ、そこで生活を送る人も周囲も、生活環境、特に
衛生状態の問題に直面します。しかし、これらの状態にあることを否定する人が多いと思います」
https://headlines.yahoo.co.jp/article?a=20181228-00030747-otonans-soci