毎年55人の藝大油画学生が生まれる。
中には現役のものもいれば多浪の者もいるだろう。
彼らの多くは高額な学費を予備校に払い毎日3〜7時間以上は絵を描き受験に望む。
現役なら1000時間、浪人、多浪となれば10000時間以上受験対策をして望むわけだ。
希に独学で入学するものもいる。これは今でも本当に希。多くはパフォーマンスなど現代アートの道に進むものが多い。

そもそも芸大に入りたい理由は様々。
勿論作家も多い。最近では就職を希望するものも増えてきている。
そこには肩書きがほしいと芸大に来て課題を一夜漬けで提出し続けほとんど大学に来ず大手企業に就職していった者等もいた。

ただ55人全てに頭ごなしに就職率を押し付けるのはどうだろうか。
毎年生まれるたった55人の芸術家の卵すら育てられない上に見守ることすら出来ない日本社会とはなんだろうか?(実際はそこまで悲観する現状などないが)

今までの歴史の中で生まれてきた芸術を育む環境から日本社会は多くをまだまだ学ばなければならない。

一人も有能な芸術家が生まれないのなら(実際はそんなことはない)恥ずべきは我々自身だ。