有給を認めましょう。

たしかに、年次有給休暇は労基法第39条条5項で「請求された時季に有給休暇を与えることが事業の正常な運営を妨げる場合においては、他の時季にこれを与えることができる。」とされています。

しかし、以下の観点を考えると、時季変更権の行使は難しく権利濫用と捉えられると思います。

@会社として代替の人員確保など努力をしたか?
(慢性的な人手不足を放置していなかったか)
→「彼がいないと回らない」状態を放置していたと推察します。

西日本ジェイアールバス事件(金沢地裁 平 8. 4.18判決)では、
恒常的に人員不足が発生している部署における代替要員の確保困難を「事業の正常な運営を妨げる場合」には当たらないと判示しています。

A有給の事前申請を社内規則に定めていたか?
(定めがないのに「1週間前の申請は突然すぎる、不当だ」などと主張はできません)
→社内規定を定めていなかったと推察します。

なお、「長期間の有給に対して使用者は時季変更権を広く裁量を持つ」という見解もありますが、1週間程度(土日含め9日間程度)では長期間とはなりません。