負け犬ド底辺貧乏人・コジマ、今日も絶賛現実逃避


小峰元

1921年、兵庫県神戸市に生まれる。本名は廣岡 澄夫。姫路商業学校、大阪外国語学校(現・大阪大学外国語学部)スペイン語科卒業後、貿易商、教員等を経て昭和18年、毎日新聞社に入社。毎日新聞社では大阪本社編集局整理部デスク、高松支局、金沢支局などを経て、大阪本社編集委員となる。新聞社時代の後輩としては作家の長井彬がいる。
太平洋戦争終結(終戦)のすぐあとから短編小説を執筆する。毎日新聞社在職中、1973年に『アルキメデスは手を汚さない』で第19回江戸川乱歩賞を受賞する。この作品は後に多数発表される青春推理小説のスタートとなった。
軽快な筆致で高校生を中心とした若い世代を描き、青春推理小説の筆頭となる。著書の中で青春小説の枠組みから外れるのは、政治と新聞社の内幕を描いたミステリー、『ソロンの鬼っ子たち』のみである。
『パスカルの鼻は長かった』では主人公の高校生を作者と同名にしたり、『ユークリッドの殺人学原論』では歴代乱歩賞受賞作のタイトルを各章題にしたり、『クレオパトラの黒い溜息』は日本初の横書き小説として刊行されるなど、実験的構成を試みている作品も多い。
影響を受けた作家も多く、東野圭吾、岡嶋二人等、推理作家もエッセイや自伝で小峰の作品について触れている。

『アルキメデスは手を汚さない』

「アルキメデス」という不可解な言葉だけを残して、女子高生・美雪は絶命。さらに、クラスメートが教室で毒殺未遂に倒れ、行方不明者も出て、学内は騒然! 大人たちも巻き込んだ、ミステリアスな事件の真相は? 1970年代の学園を舞台に、若者の友情と反抗を描く、伝説の青春ミステリー。江戸川乱歩賞受賞作。ーー「この小説との出会いが、本嫌いだったバカ高校生の運命を変えた」(東野圭吾)