>>925
武術に何を求めているかだな。
フィジカルな強さであるとしたら、今のこの世の中で生き抜くために特に必要はない。また、人としての本当の強さを知れば殴り合いで勝った負けたの結果に優越感を持つことの虚しさや幼稚さに気づくだろう。武力が強い者がヒエラルキーの上位に位置するという時代でもないし、今ではそういった概念や構造持つものは中学生くらいまでだろう。

武道にしろ格闘技にしろ本当に強い人は謙虚でそのフィジカルな強さが人としての強さや価値でないことを知っている。毎日7時間の稽古をしている人がいたとしたら、勝負の強さ云々というより自分の弱い心を制し続けられるその精神力がすごい。

ではなぜプロ格闘技の存在価値はなんなのか。古代から闘争を見て高揚する人間の原始的な欲望を満たすためにあるわけだが、そこでの強さはその世界、そのエンターテイメントの中での価値であり、そこから一歩出た一般社会の中では評価の対象にはならない。

そんなことはみんな分かっているはずだが、武力に長けた人間は気がつくとそこに執着してしまいがちだ。一流のプロ格闘家の中には人としても立派な方はいらっしゃるが、チンピラレベルの精神性や道徳感しかない者もいる。

試合の勝ち負けは一つの評価に過ぎない。そこに執着し過ぎると武術を修行する意味や楽しみが失われてしまうだろう。