私が知ってる限りでは戦後になって長嶺将真が著書において宮城長順もこのコツカケが出来て
実際股に手を入れて確かめさせてもらう寸前までいった、みたいな話を回想録で書いていたのが一件。

それと松涛館流の金澤弘和先生が呼吸と腹筋の操作によって睾丸を腹の中に収納できる、と主張していて
生徒が実際に手を股につっこんで触って確かめた、と月刊秘伝の寄稿で語ってたのが一件。

宮城のコツカケの話は宮城没後になってあるある詐欺で出した話なので信憑性に疑問がつくし
仮に本当だとしても恥骨上窩の下腹部に出っ張った状態で収納する例の方法であるなら大同小異で
結局組手で腹けられたら一発だし使い物にならんよねっていう大道芸でしか使えない話で終わる。

金澤先生の話も同じで、こちらは呼吸や腹筋の操作で体内に吸入できると言っていたが
そもそも睾丸自体は交感神経が亢進されると上方に釣り上がる性質を持っているし
あとは指の補助を使わずとも腹筋(というかこれは大腿部と骨盤の)操作により
恥骨上窩に睾丸をもっていくこと自体は修練すれば不可能ではない。

口の中に糸を飲み込んで、手を使わずに舌だけ使って結び目を作る、みたいなノリに似てるかな。

だけどそれとて、結局人体の構造上は恥骨上窩に皮下脂肪を利用して収納する以外に場所が無いのだから
手でそこに入れようが腹や足をよじってそこに入れようが、金澤先生だろうと宮城先生だろうと古堅先生だろうと
下から蹴られても効かないけど軽い前蹴り一発でも食らったらヤバいって事態には変わらない。結局大同小異。

故に、8割の人が思い描く腹中に睾丸を収納するとかいうコツカケは現実的ではないのよ。