【質問】
先生、質問です。僕の友達二人がネットを見て護身術に興味を持ったようで、対刃物体術の練習をしていました。
そこで僕は、「素手で刃物を相手にするのは無理だよ。それも自己流だし。対刃物術を練習していると、万一、刃物で襲われた場合、近くに道具があっても、つい素手で立ち向かってしまうことになり危険だよ」と忠告したのです。
でも友達は、「道具があったら道具を使うに決まっているじゃないか。使える物なら何でも使うよ。これは何もなかったり持つ時間がない場合の練習だよ」と反論してきました。どうやって説得すればいいですか。

【答え】
いい質問だね。その場合は心理学の二重過程理論を教えてあげなさい。ネットで見たのだが、人間の行動は直感的に行動するのと考えてから行動するのとの2種類だという理屈らしい。
その理論を当てはめれば、刃物を前にすると冷静に考える時間がないから咄嗟に練習していた素手の技が出てしまうということだ。
どうせ君の友達なら頭もそれほど良くないだろうから、難しい心理学用語を使えば納得するんじゃないか。

【結果報告】
先生、二重過程理論を使って説得したのですが、反論されました。
友達はそれぞれ剣道部と空手部に入っているのですが、剣道部の友達が、
「それは、何も考えずに技が出るということか。それって無心ってことじゃないのか。
一刀流開祖の伊藤一刀斎の夢想剣のように、無念夢想のうちに切り捨てるレベルだ。
そんな極意レベルになるためにはいったい何年練習しなければならないと思うんだ」
と言うのです。僕は何も答えられずそのまま帰りました。くやしいです。