相手が動かないなら頬骨でも狙っていけるんだろうね。
試合で頭(別に顔でもなんでもいい)狙って頭に当てられる確率はボクサーでも10パーセントくらいだそうだよ。
顔のやわい部分狙っても、ちょっとずらされれば意味無いし、何かのはずみでずれて正拳の小指側が当たれば簡単に骨折するだろ。

実戦()とかケンカは即興だから、場面で顔殴ることもあるだろうが、剛柔流の稽古のコンセプトとしては顔面正拳突きは無いんだよ。
別に顔面攻撃しないわけではないんで、型で顔面攻撃する技にどんなのがあるか思い出せば、すぐに理解できると思うのだが。

ああ、撃砕は別。あれはもともと体育の授業用だから違う配慮が働いている。ただ、その撃砕も後に宮城長順は中段突きに改めているが。

拳固めて云々というのも同じ理由で剛柔流のコンセプトじゃない。

宮城長順は当時としては超合理主義者で、「足が痺れて戦えなくなるから長時間の正座は避けろ」と言った逸話が残ってる。
かたい部分に当たる確率や、拳を壊す確率が高い攻撃方法をわざわざ推奨しないよ。

素手で頭を殴ってと言うのは、グローブ格闘技や映画漫画のイメージに引っ張られているんだよ。