>>302
老舗の美味いラーメン屋があった。屋号は新陰流。何代も続いた歴史ある店だ。
店主だった厳長さん。息子がいたが、店を継ぐつもりがなく、店の事には無関心。
先代の厳周さんの頃から店で働いていた、金七さんと忠敏さん。
金七さんは厳周さんの次は、自分が店主になれると思っていたが、なれなかったので店を飛び出し他の店の味を混ぜ、柳生新陰流ラーメン春風館を出す。
しかし修行不足の為、味は今一つ。新陰流の味ではない。
一方、忠敏さんは副店長として長く勤務し、店の味全てを引き継ぐ。
厳長さんが亡くなると、今までどこかに行っていた息子がひょこっと帰ってきて、店を継ぐと言い出す。
しかし、父と同じ味を作れないので、店員と客から愛想をつかされる。
忠敏さんは息子さんに味を教えようとするが、息子さんが聞かないので、やはり店を出る。
忠敏さんが辞めた後、困った息子は以前バイトしていた和食剣道の店主に教えてもらい、新たな味を作る。
しかし、周りに以前と味が違うと非難され、仕方なく屋号を柳生新陰流ラーメン柳生会と変える。
そして、忠敏さんは味が同じ事を理由に別な場所で新陰流ラーメン転を出す。厳長さん時代の店員と客を連れて。
こんな所じゃないかね。
どこが正統かなんてお客さんが決めるのでは?