琵琶湖の固有種の減少などに影響しているブラックバスやブルーギルなど外来魚の一掃を目指し、
滋賀県水産試験場は、同県彦根市内の琵琶湖につながる「内湖」などで、水中に電気を流して魚を
感電させる「電気ショッカーボート」による駆除実験を始めた。電気ショックで動けなくなった外来魚を
すくい取る手法で、同試験場は「効果が確かめられれば、琵琶湖での導入を検討する」としている。

電気ショッカーボートは北海道立水産孵化(ふか)場が国内で初めて導入した駆除法で、ボートの
先端部に高圧な電気を流す装置を取り付け、水中に電極のワイヤを垂らしながら進んでいく。
同試験場によると、外来魚だけでなく、在来魚もしびれてしまうが、死ぬことはなく、しばらくすれば回復するという。

皇居の堀などでも実績を上げていることから、同試験場では2008年5月に3日間、同孵化場からボートを借り、
内湖の一つで試してみたところ、産卵期を迎えた大型のブラックバスをほぼ撃退した。
今回は、冬季の捕獲量を確かめるのが目的という。

実験は27日から1週間の日程で実施。初日は、同試験場職員ら4人がボートに乗り込み、
感電して水面に浮き上がった外来魚をタモですくい上げていた。

同試験場の担当者は「冬は水中の水草が少ないため、ボートの進み具合も良く、作業がはかどるのではないか。
どの水域で、どのくらいの効果があるのかをしっかり調査し、実用化につなげたい」と話している。

(2010年1月29日 読売新聞)
http://osaka.yomiuri.co.jp/news/20100129-OYO1T00624.htm?from=main3