子供のいない夫婦が過去30年で約3倍増
子供のいない夫婦が過去30年で約3倍増、原因は?
高所得層でも子無しは6.9%から20.0%に大幅に増加
https://www.j-cast.com/kaisha/2022/05/19436769.html?p=all
研究結果は「Plos One」4/27に掲載
東大研究チームは出生動向基本調査を用いて、1943〜1948年の間と1971〜1975年の間に生まれた人による夫婦が、40代の時点の子供の数がどのような要因で変化するか分析した
男女別では男性では子無しの割合は14.3%から39.9%に大幅に増加
女性では子無しの割合は11.6%から27.6%に増加
所得階層別の子供の有無と合計特殊出生率を分析すると、最も所得が低い年収300万円以下の層では子無しの割合は25.7%から62.8%に増加、合計出生率も1.74人から0.73人に減少
一方、最も所得が高い年収600万円以上の層(※年収600万円超は男性で30%、女性で6%)でも、子無しの割合は6.9%から20.0%に大きく増えており、合計出生率は2.10人から1.60人に減少
雇用形態から分析すると、男性の非正規雇用では子持ちの割合が正規雇用の人より少ない
逆に、女性の正規雇用の人はそれ以外の人と比べて、子持ち割合・3人以上子の割合ともに少ない
つまり男性の場合には「所得、学歴、正規・非正規という雇用形態」が子供の有無に大きく関係しているが、男性高所得者にも子供を持たない人が増えている
女性では、所得、学歴による影響は小さい。
しかし一方で、正規雇用者では子供がいる割合が少ないという「雇用形態(産休・育休が取りにくい)」の方が子供の有無に大きく関係する 「専業主婦より共働き夫婦の方が産んでいる」という統計事実(2020年)
配偶者控除や国民年金3号制度には、もはや少子化対策の意味はなく、両立支援や子育て給付に意味がある
https://president.jp/articles/-/32837
天野 馨南子・ニッセイ基礎研究所
日本の女性の労働力率と出生率の関係について、2015年の国勢調査結果を用いた分析結果をご紹介します。
女性の労働と子どもの有無について比較します
専業主婦世帯 子なし33.7% 子あり66.3%
共働き世帯 子なし31.6% 子あり68.4%
統計的にみて確実に言えることは
「専業主婦のご家庭の方が、子もち世帯が多いはず」「共働き夫婦って、専業主婦家庭より子なしカップルが多そうだ」
などというのは全くの偏見・思い込みで、統計的には立証できない事実誤認だということです。
次は、子どもがいるご家庭にしぼって、専業主婦世帯と共働き世帯の子どもの数を比較します
専業主婦世帯 子ども1人49% 2人40% 3人10% 4人以上1%で、半数の世帯が一人っ子です。
共働き世帯 子ども1人42% 2人44% 3人12% 4人以上2%で、2人きょうだい家庭が最も多くなります。
また、子ども3人以上の多子世帯も共働き世帯の方が高い割合となります。
つまり、以上の2つのデータを総合して判断すると、専業主婦よりも共働き女性の方が子どもを多く持つ、という結論になります。
1995年にはすでにサラリーマン世帯で専業主婦と共働きが半々になっていました。2018年では専業主婦33%、共働き67%となっています。
統計的に見れば日本社会の現状は、夫婦そろって働きつつ子どもを持つ家庭が普通になったということです。
つまり男性のライフサイクルを、家事子育て分担・女性の両立支援に変えなくてはなりません。産休育休有給休暇が取得できなかったり、長時間勤務ありきのブラック企業は“少子化促進企業”であるため、可能な限り減らさなければならないのです。 身寄りのない高齢者「支援現場、すでにギリギリ」
日経インタビュー
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUD011R40R00C23A6000000/
日本総合研究所・沢村香苗
日本で身寄りがないまま高齢になると生活に困難がありますか?
「医療や介護サービスを受けたり、死後の事務処理を済ませたりするには、様々な意思決定や手続きをしなくてはいけない。今は本人の意思を尊重することが重要になっている。本人が判断できなくなったら家族が代わりに判断するという暗黙の了解があるため、身寄りがないとサービスを受けられない」
総務省の調査では、病院や介護施設の9割以上が、入院・入所の際に「身元保証人」を求めています。いなければ「お断りする」が約15%に上ります
「身元保証人という名称でなくても、ほとんどの病院が本人以外の保証人を要求しているのが現実だ。救急車で病院に搬送しても、身寄りのない人は断られるという話もある」
お金のあるなしに関わらず、身寄りのない人が直面する問題なのでしょうか?
「お金があって身寄りのない人のほうが、何かあったときに、その人が持ち込んだお金の処理をどうするかなど、病院は困ることが多い」
いつごろから問題になっていましたか?
「2015年ごろから、都会で単身高齢者が増えて現場が困っているという話は出てきていた。身寄りがない人の中には、子供がいても遠くに住んでいたり、疎遠だったりするケースもある」
身寄りがない人向けの民間サービスも増えています
「民間サービスは、見守りや病院へのつきそいなどの生活支援のほか、入院時に保証人になったりする身元保証、葬儀などの死後事務を請け負っている。しかし、困ったときに呼んでも来てくれなかったとか、利用者が思っていたよりお金がかかったなどのトラブルがあっても、監督省庁すらない状況が続いてきた」
民間サービスには限界があると考えていますか?
「家族がやってきたことを全て民間サービスに置き換えようとすると、莫大なお金がかかってしまう。契約した当時は元気だった高齢者が、認知症などで想像以上に動けなくなるなど、事業者自身も先行きを見通せていない場合がある」
日本総研は子供のいない65歳以上の高齢者世帯が、2020年と比較して2040年には532万世帯まで倍増すると試算している 貧困家庭に生まれた女子が自分の人生を見限る「自己選抜」
「大学には行けない」「子どもは欲しくない」
https://www.newsweekjapan.jp/stories/world/2019/02/post-11687_1.php
舞田敏彦(教育社会学者)
2014年度から高校就学支援金制度が施行され、高校生がいる家庭には月額9900円が支給されている。
その一方で、アルバイトをする高校生は増えてきている。2016年の総務省『社会生活基本調査』によると、平日の高校生のアルバイト実施率は7.9%となっている。家庭環境とも相関しており、年収300万円未満の家庭に限ると14.3%(7人に1人)になるが、女子生徒だけでみると、アルバイト実施率は30.3%にもなる。
低所得層の女子にあっては、大学進学を早期に諦める「自己選抜」が作用するのかもしれない。
貧困という生活条件が男子では、逆境から抜け出そうというバネになり得るが、女子では自分の将来を閉ざす「自己選抜」という名の蓋になる。
子どもに対する親の教育期待(どの学校まで行かせるか)にも性差があるが、余裕のない家庭ではそれは大きいのだろう。
貧困家庭の子どもに対する支援が盛んになっているが、経済的支援だけでは、こうしたジェンダーの問題は解決できそうにない。
貧困は、結婚や出産の希望とも関連している。
16歳高校生のデータによると、低所得層ほど「結婚したくない」「子どもは欲しくない」と答える生徒の率が高い傾向にある。
それは男子よりも女子で顕著だ。
上述のように、低所得層の女子は、自分の将来を早い段階から見限る傾向にあるのだが、進路志望のみならず人生展望全般に影響が出ている。
(性別で)劣等感を植え付けられる、貧困家庭で母親の苦労している姿を目の当たりにしているなど、女子が将来を諦める要因はいろいろ考えられる。
家庭生活の暗い側面、母親の大変な苦労だけを見せられたら「こうはなるまい」と反面教師にして、子どもが「大人になっても結婚はしない」「子どもは持たない」と考えるのは道理だ。 日本経済は、少子高齢化・人口オーナスで「思考停止 Brain freeze」がすでに始まっている
https://www.businessinsider.jp/post-272059
唐鎌大輔 みずほ銀行
2023年5月、英経済誌エコノミストが『単なる財政のつまずきでは済まない:高齢化する経済はイノベーションをも衰退させる』と題する特集記事を掲載した。
経済の高齢化により財政的な負担が増すばかりか、革新的な技術(イノベーション)が生まれにくくなる事実を懸念する内容だ
同記事の核心は「出生率が低下すること(≒人口動態が高齢化する・人口オーナス)でイノベーション・生産性向上が起こらなくなる」問題で、世界経済全体がこれからその事態に直面する可能性があり、日本やイタリアなどではすでに「思考停止」が始まっていることが示されている
記事には、若い世代は「流動性知能」を持ち、その能力を問題解決や新たなアイディアの創造に活かす一方、年老いた世代は「結晶性知能」を持ち、時間とともに蓄積されたものごとの仕組みに関する知識を活かすという、心理学から見た知能の加齢変化に関する言及がある
いずれも人間が経済活動を行う上で重要な知性だが、イノベーションの創造を期待するに当たっては前者の「流動性知能」が重要であり、経済が高齢化するにつれてその能力が薄弱化するという
イノベーションと年齢の関係性について、記事で紹介されている研究結果によれば、研究者の特許出願率は30代後半から40代前半でピークに達し、40代から50代にかけて緩やかに低下する傾向にある
経済学の視点で考えると、イノベーションを通じて「全要素生産性」が改善するからこそ、労働力や資本の投入が一定だとしても、高い成長率を実現できる
逆に言えば、少子高齢化により労働力や資本が減少していく社会では、イノベーションによる生産性向上でGDP・成長率をテコ入れする必要が出てくるわけだが、「少子高齢化が元凶となってイノベーション・生産性向上まで停滞してしまう」のだ
こうした少子高齢化に関する研究を踏まえた上で、日本の最近の国際収支の構造変化を見直すと、エコノミスト誌が「Brain freeze」と揶揄する日本の状況は、拡大する「その他サービス収支(デジタル、コンサル、研究開発)」の貿易赤字と整合的であるのだ 別に子供いなくてもお互いが良ければいいのでは?
出生率等あるけど、そんなの各々には関係ない話だし
うちらは結婚10年目で奥さんが看護師でそれなりの役職なのもあるけど、不都合はないよ
むしろずっと交際中と同じ様な関係でいる 男性よりも長生きリスクの高い女性
2060年、日本で一番多い年齢層は86歳(うち女性は70万人の統計予測)
https://president.jp/articles/-/41798
天野 馨南子 : ニッセイ基礎研究所
少子化が進み、長生きリスクが深刻化しているのは男性ではなく女性です
現在の40代が高齢者になったとき、日本は税金で支えられる高齢者層と、その税金を捻出する若年層のバランスが取れる状態ではなくなることが目に見えており、今のままでは老後の社会保障(年金や医療・介護保険など)で現行水準を維持することに期待はできません
このままでは現役世代減少による税収不足で、生活保護の仕組みさえ持続することが難しいかもしれません
この状況の中で、男性よりも女性は長生きです
男性が婚期を誤解しているために結婚市場に出遅れ、結婚市場における20代男女割合のアンバランスが未婚化解消の大きな壁となっています
(結婚の統計最頻値は男性27歳、女性26歳)
日本では未婚化は出生数の減少に直結しているため、人口の支えられる側の世代と支える側の世代のアンバランスが進み、男性よりも平均寿命の長い女性の方が老後苦しむ「長生きリスク」が高くなるのです
日本の年金は賦課方式です
自分の将来のために年金を積み立てているのではなく、そのときの高齢者をそのときの現役世代で支える仕組みです
(少子高齢化が進むと、社会保障のレベルが下がり、年金支給額は低下します。日本人はみんな少しずつ貧しくなっていきます)
介護保険利用者の7割が女性で、男性の1.5倍です
現在65歳まで生きている人のうち、男性の4人に1人は90歳まで生き、100人に1人は100歳まで生きます
同じく女性の2人に1人は90歳まで生き、16人に1人は100歳まで生きます
100歳以上の高齢者(現在は9万人、今後50万人以上に増加の予測)の9割は女性です 100歳以上が38万人…2045年の日本が直面する「危機的現実」(2019年)
前田正子 元・横浜市副市長
https://gendai.ismedia.jp/articles/-/67847
2040年には65歳以上の男性の20%、女性の25%(併せて896万人)が一人暮らしになると予測されている。
さらに高齢者の超高齢化もさらに進んでいく。2045年には90歳以上は529万人、100歳以上は38万人いる時代になる。
結婚していてもいずれは配偶者に先立たれる。今では子どもと同居している高齢者も少ない。さらに現在では生涯未婚率も上がっており、兄弟数も少ない。今後は、頼る親戚もおらず全く一人、という高齢者も増えるだろう。
日本は南海トラフなどの巨大地震がいずれ来る、と予想されているだけでなく、今後も台風の大型化が予想されている。
人手がなく採算も取れないため山の手入れもできず、インフラの老朽化もすすんでいる。土砂崩れも起こり、台風による川の増水で橋が壊れたり、堤防が決壊したり被害も大きくなる。高齢者を助けに行く消防団の人たちも高齢化している。
被災地に派遣された自衛隊員も人手不足だ。定年を延長して隊員を確保している状態である。
力仕事のできる現役世代が減り続けているのだ。そうやって災害を受けた地域は、早い復興はかなわず、じりじりとその土台を弱めつつある。
急速に高齢者が増える中で、災害など何かがあった時に支える側になる若い世代が今も地域に少ないだけでなく、今後はもっと減っていくのだ。
今現在も、東京に住むあなたが気づかないうちに地方からじわじわと水が引くように若い人が消えだしている。
数十年もたたずに、居住地域のどこを見ても若い人がいない、居るのは高齢のおばあちゃんたちだけ、という終末的状況になっていても、地方は全くおかしくない。
(追記 天野 馨南子)
全国から女性を吸引する東京都の子ども人口は、この20年程度増加の一途であり、また、将来的にも2045年/2015年人口が100%超との人口増加の推計である。
「沈まぬ東京人口」を支えているのは、他でもない全国各地から流入を続ける地方で生まれ育った若い女性たちなのである。 少子化の原因は、高齢政治家・経営者・資産家に有利な日本の税・社会保険料制度(2023年5月)
子供のいる低所得世帯(若年層)で税・社会保険料負担率が高く、子供のいない高所得世帯(中高年層など)で負担率が低い
https://www.nira.or.jp/paper/opinion-paper/2023/65.html
翁百合 NIRA総合研究開発機構理事
税と社会保険制度の負担、児童手当等の給付の望ましい在り方を検討するため、OECDモデルを用いて、国際比較を含む様々な角度から分析した
分析の結果、第一に、日本は所得水準に応じた世帯の負担率に段差(年収の壁)が存在し家計の行動に中立的になっていないこと、第二に、諸外国と比較して子どものいない世帯に比べて子どもがいる世帯への支援が薄いこと、第三に、低所得層における負担率が他の所得層と比較して相対的に高いことが明らかになった
また、日本の負担率は、OECD諸国よりも低所得層では高いが、高所得層では低いことが明らかになった。つまり、日本の負担率の累進度は小さく、相対的に低所得層の負担が重くなっている
特に、低所得層の負担率が高いのは、子どものいる世帯(若者層・母子家庭など)であり、また、高所得層での負担率の低さは子どものいない世帯(高所得中高年層など)で顕著となっている
特に、平均的な水準よりも年収が低い世帯の場合、日本では税の負担率が低いものの、社会保険料の負担率が高い
また、OECD平均では子育て世帯には、年収比でみて手厚い家族手当が支給されているのに対して、日本では手当の支給が手薄である
つまり、日本は、子どものいる家計への支援が諸外国と比較して薄く、この結果、特に低所得の子どもがいる世帯の負担率の高さに表れている
日本の現在の税制・社会保険料制度は、応能負担の原則(所得が高く資産を保有している人、家計の余裕のある人ほど、多くを負担する)からみて問題がある
先進国における子育て支援の目安は「GDP比3%の水準(イギリス・スウェーデン・ドイツなど、フランスは約4%)」である。日本は2%と少ない
負担と給付の公正性を確保するには、保険料率は、所得や資産保有状況などをより反映させる方向で検討する必要がある
社会保険料算定の基礎となる標準報酬の上限緩和も検討すべきである
(日本社会は年功序列、男尊女卑だということですね) 「年収の壁」低いイギリス
年収超過部分にだけ社会保険料発生
日本経済新聞(2023年3月)
日本では、配偶者の収入が増えると社会保険料の支払いが発生し、手取りが減る「年収の壁」問題が深刻になっている
保険料の負担が段階的に増え、手取りの急減を避けるイギリスの制度が参考になるだろう
英国の社会保障制度は「国民保険」だ。16歳以上で一定の所得がある人が保険料を払う。納めた保険料は主に老後に受け取る年金の財源となり、求職時や休業、出産にあたっての幅広い給付もある。保険料は労働者や自営業者など働き方によって第1種〜第4種に分かれている。労働者が加入する「第1種保険」で、保険料を労使折半でまかなうのは日本と同じ
収入が週242ポンド(約3万9000円、年換算で190万円程度 1ポンド=約160円)を超えたら、「越えた部分だけ」に対する保険料を払い始める。複数の会社で働く場合は、1つの会社から得る収入が基準を超えなければ納付する必要はない
第1種保険料は一定の年収を超えた時点で給料から天引きされるが、料率(12%)は収入の全額ではなく「超過した部分のみ」にかかる。手取りの伸びは緩やかになるものの、急に減ることはない。
英国の保険料は所得に応じて緩やかに増えるため、日本のような「年収の壁」ができにくい
日本の社会保険制度で「年収の壁」を生むのは、配偶者の扶養に入り年金や医療の保険料を払う必要がない「第3号被保険者」の仕組みだ
英国にも第3号被保険者に似た仕組みとして「チャイルド・ベネフィット(子ども手当)」がある
手当受け取りを申請した場合には、「子育てする夫婦」のうち、働いていないなどの理由で配偶者の所得が社会保険料を支払う基準に達していなくても、年金が受け取れる
ただし、収入が高い方の課税所得が5万ポンドを超えると子ども手当が減る
最近の1ポンド=約180円(2023年) 令和元年(2019年)の日本人の平均寿命は男性81.41年、女性87.45年ですが、日常生活が自立している期間である健康寿命は男性72.68年、女性75.38年です
また、介護が必要となる期間は男性8.73年、女性は12.06年になります(厚生労働省統計)
2011年の厚生労働省の推計によりますと日本人の生涯医療費の平均は2,500万円(男性2,400万円、女性2,600万円)となっています。特に70歳以上が大きく、生涯の医療費の約半分はこの時期に占めているという計算です。(三井住友信託銀行)
実は介護保険の受給者は7割が女性です。高齢男性の人口は女性より少ないですが、男性は年齢ごとの介護保険の利用率も低いです
理由は、男性のほうがもともと筋肉量が多いので、転倒する人が女性より少ないからです。しかも、加齢で女性ホルモンが低下すると女性は骨が弱くなります
つまり女性は骨折から寝たきりになりやすく、介護が必要になるのです
(女性の認知症有病率は男性の約1.6倍で、90歳以上は女性の6割以上が認知症を発症します)
日本の公的年金制度(厚生年金保険及び国民年金)は、現役世代が納める保険料で、その時々の高齢者世代に年金を給付しています(賦課方式)。日本の年金制度は世代間扶養の考え方を基本としています
男性の死亡最頻値は87歳、女性は93歳で、共に約3割を占めます。100歳以上の9割は女性です
老後リスクに民間の保険制度で対応するなら、本来はリスクの高い人から多くの保険料を徴収する必要があります。(個人の積立方式)
ですが、国の社会保障制度では、収入の多い人から多くの保険料を徴収しています
賦課方式の社会保障制度が、老後リスクの高い女性や社会的弱者をカバーしているのです
少子化が続くと、現役世代が減るため、だんだん社会保障の水準が低下し、みんな一緒に少しずつ貧しくなっていく社会になります(GDPも減少するため、より円安にもなる)
今の40代50代のおひとりさま女性が老後に生活保護をもらう気満々なのをネットの掲示板で見て、下の20代30代はかなりビビってた
人数の多い年上世代が、人数の少ない年下世代にのしかかるのは、自分たちが未婚で産んでないから、ではないのですか?
産まなくてもいいというのは、本当に女性のためなんですか? 中国や世界が分析する「日本病」とは
子どもや若者への冷たさが「異次元」の日本のシルバー政治
https://www.newsweekjapan.jp/stories/world/2023/01/post-100546_1.php
2023年1月
舞田敏彦(教育社会学者)
国の教育費支出の対GDP比率をみると日本は2.85%で、OECD平均値の4.07%(2019年)よりかなり低い。公的教育費支出の対GDP比は、OECDでは日本は下から2番目だ。絶対水準の低さもさることながら、国際順位も低い
ノルウェーの6.38%の半分にも満たず、子どもが少ないという人口構成では説明できない。各国の子ども人口比率と公的教育費支出の対GDP比の間に相関関係はなかった
国が金を出さないと、子育て費用の負担は家庭にのしかかる
国際社会調査プログラムが2019年に実施した調査によると、子がいる25〜54歳の62.3%が「世帯の収入の範囲で生活をやりくりするのが難しい」と答えている
調査対象となった29カ国の平均値(39.7%)よりも日本はかなり高く、生活が苦しいと答えた子育て世帯の割合はOECDでは上から2番目である
日本では、子ありの世帯のほうが子なしの世帯より生活苦の割合が高く、他国と比べてその差も大きい
横軸に公的教育費支出、縦軸に子育て世帯の生活苦をとったグラフに、両方のデータが得られる19カ国を配置すると、右下がりの傾向がある。右下には北欧諸国があり、国の教育費支出が多く、子育て世帯の生活苦は相対的に少ない
日本は、北欧諸国の対極のグラフ左上にある
出産年齢の女性の絶対数が減っているので出生数を増やすのは難しいかもしれないが、国が子育て支援金・教育費を出すことで子育てがしやすい社会をつくることはできる
国の投資不足で次世代の健やかな育ちが阻まれると、日本社会の維持・存続が危うくなる
右派やメディアが煽る某国の軍事的脅威(米国との経済摩擦が主原因)だけでなく、少子化という国内の「静かなる有事・日本病」に向き合わねばならない
(日本の税制で、高齢者扶養控除と配偶者控除があるのに、年少者控除がほぼないのは選挙のためです。高齢化率の高いシルバー民主主義だと、頼みのアメリカからも民主主義国グループのお荷物にされるのでは?) 中国が研究する「日本病」
「中国のデフレは明らか」「少子化対策こそ重要」(2023年8月)
https://www.tokyo-np.co.jp/article/270834
殷剣峰(いん・けんほう)中国現代金融学会常務理事 / 東京新聞
中国には、日本の失われた30年の経験を研究できるという利点がある
バブル崩壊後、30年の長期停滞に入った当時の日本と中国が共通する点は、人口減少・老齢化と、地方都市の不動産を中心とした「過剰資本蓄積」だ
日本は、1980年代に米国との貿易摩擦による圧力で、半導体や電子産業が影響を受けた
中国が当時の日本と異なるのは、米国の経済圧力に(軍事力込みで)反抗していることだ
現在の中国は、デジタルエコノミーや新エネルギーの分野で世界をリードしている。日本は世界の情報技術革命に乗り遅れたことも長期停滞に陥った要因だ
日本は、GDPに占める教育支出が多くの発展途上国よりも低い
一方で、シルバー民主主義を背景に高齢者向けの支出が多い。低賃金で働く貧しい若者が高齢者の年金制度を支えている、負のスパイラルに陥っている
若者の安心感につながる支出が必要だ。北欧のスウェーデンなどに比べて、財政支出額が物足りない
中国が「日本病」を予防するための処方箋は、出産や子育て、教育への財政支出を増やすことだ
将来的に製造業大国の地位をインドやベトナムが取って代わるとは思わない。労働力のより安い国が中国に取って代わるのでなく、IT技術やロボットが取って代わるため、人への教育投資が必要だ
今後、産業革命と同様の「資本が労働力に置き換わる」課題に直面する可能性がある
今、ロボットと人工知能(AI)の進化は世界の不可逆的な趨勢だ
ロボットはパンを焼く人員を代用できるが、パンを食べる人がいなければ、ロボットは不要だ。モノを必要とする人(需要)を育てなければ、経済(人類)社会は発展しない