中国で生産した商品を日本の店舗に並べるというのは、大変な手間がかかります。
現地工場で生産した商品を
1. 現地工場で検品・検針し、
2. 現地工場から集荷して港まで運び、
3. 輸出手続を行い、
4. 船や航空機を使って国際輸送し、
5. 日本の港で輸入通関を行い、
6. 日本の倉庫にいったん入庫したうえで、
7. 必要な数量だけ各店舗に配送する。
という、気の遠くなるような事務作業が必要なのです
売上高が数千億になる企業であれば、輸入手続き専門の子会社を設けていたりします。しかし、一部の大企業を除いて、
輸入手続き専門の子会社を設けたり、専門の人員を多数抱えたりすることについて、
経営者は及び腰です。なぜなら、企業にとって輸入手続きは、
他社と差別化するための本質的なポイントではないことがほとんどだからです。
このような企業の手間ひまに目をつけたのがエーアイテイーです。
日本企業が海外で生産した商品を、現地工場から日本の店舗に並べるまでの物流を一貫して請け負います。
輸入手続にうんざりしていた企業にとっては、とても便利なサービスですね
10期以上連続して増収、増益している企業となると、上場企業3700社のうち100社もありません。
一時的なブームによる事業展開や、パフォーマンスの低い組織では、10期連続増収増益というのは不可能です。エーアイテイーの事業の強さをうかがい知ることができます。
株価は上場直後から下がり続けたものの2009年には底を打って、反転しています。株価が低迷していたのは、外部環境が悪かった(リーマンショック)ということもあるでしょう。
また、バイオベンチャーなどのような華々しさはない、地味な事業内容だから、ということもあるのではないでしょうか。
「でも実のところ、過大な借り入れで、無理な事業展開をしてるんじゃないの?」という声が聞こえてきそうです。
ところが、2013年2月期の決算を見てみると、企業の財務健全性を示す自己資本比率は70.4%にもなります。
自己資本比率は、60%以上が理想、少なくとも40%以上は欲しい、という基準ですから、エーアイテイーの自己資本比率は理想的な水準です。
投資効率を示す総資産経常利益率はどうでしょうか?
同じく2013年2月期の決算を見てみると、31.2%となっています。上場企業の総資産経常利益率の平均が4〜5%ほどです。
また、超優良企業かどうかの目安として私が考えているのは10%です。この10%の目安をはるかに超える高い水準の総資産経常利益率になっています
ちなみにROEは26.8%と、これもまた非常に高い水準です(目安は10%)。さらに、フリー・キャッシュ・フローも、3億4千万円のプラスです。
そのうえ経営者は3年後に売上300億円を目指しています。直近期の売上が167億円でしたから、3年で2倍近くまで成長しようという目標です。