「えっ!俺?」
驚く桃矢にこくりと頷く。
「あなたとミラーには何か『縁』を感じます。ユエ、彼のサポートを。」
「分かった。」
そう言ってミラーのカードを広い、桃矢に渡す。
赤いリボンが巻かれた少女の図柄を見て、やれやれと息をつく。
それぞれがカードを持ち、向かい合って立つ。

「で、誰が未来に行くんや?」
そのケロの言葉に全員が硬直する、その人選が抜けていた。
本来ならリターンを使う二人が行くのだろうが、これはさくら達を『呼び戻す』ための時間飛翔だ。
リターンのカードはさくら達を引き戻すためにも使い続ける必要がある。
人間でないケロ、ユエ、スピネル、ルビー、そしてモモはカードで飛ぶことは出来ない、となると・・・

 全員が注目する、知世と苺鈴に。
「じゃあ私が・・・」
いそいそとビデオを用意する知世に、苺鈴が平手でツッコミを入れる。
「大道寺さんはダメ!財閥の令状が帰ってこられなくなったらオオゴトでしょうに。」
「ですけど・・・」
「私はいいの、これで結構自由な立場だし。それに・・・他にも理由はあるしね。」

 桃矢の手の中でミラーのカードが発動する。桃矢の背中にはユエが付き、体内の魔力の流れを
調整している、かつて桃矢の力を受け継いだユエだからこそ出来るサポート。
具現化したミラーは、桃矢を見て少し嬉しそうに微笑んだ後、正面のリターンのカードと、
それを使うエリオル達に向き直る。
 次に歌帆がリターンを発動、ミラーはそれを鏡に映し出す。その正反対の能力を持つカードとして。
そしてエリオルがその鏡に映ったさくらカード『フューチャー』に手をかざす。小狼もまた
時間制御のため、カードに剣を突き立て、発動させる。