「ふぅ。」
「くっ・・・」
膨大な魔力を使ったエリオルと小狼は、その場にへたり込む。
「それで、これからどーするんや!さくらカードに未来にいくカードなんかないで。」
そのケロの質問に答えたのは、エリオルではなく観月だった。
「でも、その反対の能力を持つカードならあるわ。」
「そらまぁ・・・リターン(戻)ならあるけど、過去に行ってもしゃあないやろ!逆や逆!」
そこまで聞いて、あ!という表情でエリオルを見る小狼。

「ミラー(鏡)のカードか!」
分身を生む、光を跳ね返す等、さまざまな鏡の能力を持つミラーのカード。
その能力を応用して、過去に戻るリターンの能力を反転させ、未来に送ることが狙いだ。
「しかし・・・」
果たして本当にそんなことが可能なのか、仮にできるとしても、ミラーを使う者、リターンを使う者
そしておそらく時間を制御するためタイム(時)のカードも必要となるだろう、それを使う者も。
 いずれのカードも相当な魔力が必要となる。言うまでもなく、ケルベロス、ユエ、スピネル、そして
ルビー・ムーンの4人は自分でカードを使うことは出来ない。まして今、エリオルと小狼は膨大な魔力を
消費したばかりだ。

「リターンは私と歌帆が担当します。」
エリオルの言葉に頷く歌帆。膨大な魔力を必要とするリターンは、今のエリオル一人ではきついらしい。
「タイムは・・・相性の良い李小狼、いけますか?」
その問いに小狼は力強く頷く。さくらを助けるため、出来ることは何だってやる決意だ。
「あとはミラー・・・」
そう言って、桃矢の方を見るエリオル。
「さくらさんのお兄さん、お願いします。」