その苺鈴の言葉に、さくらは呆然として顔を上げる。
「じゃあ・・・そうすれば未来を、変えられるの?」
「さぁね。」
背を向け、そっけなく言う苺鈴。そもそも魔力の無い苺鈴に、この魔法で超えてきた未来が
不変なのかそうでないのかなんて分かるはずがない。
「でもね、私だったら諦めないわ。」
「え?」
「私には魔力が無い、だから空は飛べない。だったら空を飛ぶより速く走って、彼らより早く
目的地についてみせるわ。」
 さくらの心に、苺鈴の思いが染み渡る。どんな理不尽にも諦めない、その強い心が。
「さくらはどうなの?諦めてこの未来を受け入れる?それとも・・・」
振り向いて言う苺鈴に、さくらの目の前が開ける。そうだ、私の前にどんな困難にもめげずに
挑める人間がいる。手本にするべき、指針となるべき友達が。
「苺鈴ちゃん、ありがとう。私、やってみる。小狼君も、秋穂ちゃんも、そして私も助けられる世界を。」

 もう迷いはない、やるべきこと。それを成し、帰る。

−絶対、だいじょうぶだよ−