カメの一部の種類は卵の温度によって雌雄が決まるが、こうした温度依存性の
せいで気候変動の影響を受けて絶滅してしまうのではないかとこれまで懸念
されてきた。だがこのほど、中国とオーストラリアの研究チームは、カメの
胚は卵の中を動き回って生命誕生に適した環境「ゴルディロックス・ゾーン
(Goldilocks Zone)」を見つけ出し、自身の性別決定に影響を与えていることを発見した。
今月1日の米科学誌カレント・バイオロジー(Current Biology)に掲載された
研究チームの論文によると、この仕組みにより、気候変動に対する進化の
緩衝作用がもたらされ、カメは古代の地球で起きた激しい変動を切り抜けられた
可能性があるという。