「小石原の里を恐怖に陥れる大蛇を、あなたさまの念力でなんとか退治してくだせえませ」
 村人は持参した地酒を差し出して、次々に頭をこすりつけた。

「弱ったのう。わしは呪術師である前に、生類すべてを哀れむ仏に仕える者なり。じゃと言うてお世話になる御地の皆の困りごとも解決せねばならぬし…」
 とりあえず、持参した地酒を家来にしまわせて、村人は帰した。