1970年2月18日の5時頃、群馬県多野郡万場町にある山小屋で蛸壺に生首だけが入っている状態の小夜ちゃん(5)を政治家の父親の犬が発見した。
小夜ちゃんは死体発見の15日前から行方不明になっており捜査届が出されていたが一向に捜査が進展せず、父親が自力で捜索しようと近場の裏山に入ったところ、山小屋に異臭を放つ蛸壺が置かれてあったという。蛸壺の横には日用品がひたすら書き殴られた犯人のものであろう真新しいメモが置かれてあった。
死体の生首は半分が火傷を負っている状態で、首から下の死体は行方が知れていない。
両親は警察に状況を話し捜査が行われたが、たった一日で打ち切りになった。それどころか本当に一日の間、捜査をしていたのかも不明である。
小夜ちゃんは母親が帰宅した16時にはいなくなっており、犯人がどうやって鍵の掛かった家に侵入し、近隣の住民に気づかれることなく小夜ちゃんを誘拐したのかは今だ分かっていない。
そして死体発見から5日後、噂を聞きつけた近隣住民が裏山に入ったところ、山小屋に見た事のない形をした小さな祠を発見した。ただこの祠は死体が発見された時には存在しなかった、つまり誰かが新しく置いたという事になる。
この祠の出所はやはり不明である。
3月6日にチャイムを鳴らしても反応しなかった事から不審に思った小夜ちゃんの友人の母親が警察を呼び家内を捜索するも、夫妻揃って失踪していたことが判明する。
小夜ちゃんの父親は選挙活動に熱心な政治家で黒い噂などは無かったが、この一見であらぬ疑いを掛けられたことが原因ではないかと言われているが真相は定かではない。
いつもは目ざといマスコミは最初こそ勢いを見せたもののすぐに一切の報道を行わなくなり、夫妻の行方も知れないままとなっている。
しかし3月の21日にとある新聞が「警察トップへの献金があった」という匿名者からのリーク情報を書き込んだ。これによる反響は大きかったが、結局1985年に時効が成立した。
犯人と夫妻の行方は未だに不明のままである。