世界の秘密 [無断転載禁止]©2ch.net
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実は神のもとへ帰るという宗教は他にもあったのだ
時代の流れなのか人間の中にプログラムされていたものなのかはわからないが、近い考え方をするものが同時多発的に現れたのである
ファザー教というものがあった
父のもとへ帰るという宗教で、厳しい規律でそれを守ることによって禁断の果実の呪縛から逃れるという考えの宗教だった イエニスタの宗教は貧しいものたちが集まっていた
イエニスタは自分の宗教をシャイン教と名付けた
ファザー教はイエニスタが貧しいものと関わることが許せなかった
ファザー教は寺院と民衆からなるものだった
ファザー教は自分たちに近い教えを、イエニスタが貧しいものたちに教えるのが許せなかったのである
貧しいものたちなど救う必要などないと思っていたのだ イエニスタの弟子たちは貧しいものたちだったのでファザー教のような規律や作法をしらなかった
ファザー教「シャイン教よ、お前らは食事が終わっても口を拭かないのだな。楽園に帰る資格などない」
ファザー教「禁断の果実の毒は抜けてないようだ。好き勝手やっているのだな、お前らは」
シャイン教の教徒たちは自分を恥じた。作法なんて今まで気にしなかったからだ
シャイン教「わたしたちより、彼らの方が楽園に帰るのにふさわしいのかもしれない」 ファザー教はシャイン教を恐れていた
シャイン教の数が多かったのだ
実は帝国の転覆を願っているものもシャイン教に加わっていた
帝国に依存しているファザー教にとっては邪魔でしかなかった
ファザー教「あなたたちには楽園に帰る資格などないのです」
ファザー教「イエニスタ、あなたはどう思っているのですか?」 イエニスタは静かに怒っていた
しかし、それは自分の宗教を馬鹿にされたことにではなかった
イエニスタ「あなたたちは糞だ。腐った臓物だ」 ファザー教「なんですって?」
イエニスタ「腐った臓物だといったのです」
ファザー教「いかがわしい言葉を使うのですね、いかがわしいものたちと関わっているせいかしら?」
シャイン教「イエニスタ様、おやめください」 イエニスタ「規律を守って、さぞ、鼻がたかいことでしょうな」
ファザー教「当たり前でのことです。できないシャイン教を軽蔑しますわ」
ファザー教は笑いながら言った イエニスタ「わたしたちのことを見下しておられるのですか」
ファザー教「当たり前じゃないですか」
イエニスタ「わたしたちを見下ろしていいのは神様だけではないでしょうか」
イエニスタはニヤリと笑った イエニスタ「禁断の果実の毒が抜けていないのはどちらの方かな?」
イエニスタ「あなたたちは価値観の塊ではないか」
イエニスタ「規律を守っている自分たちは偉いんだと威張っている」
イエニスタ「しかし、私の教徒たちは違う」
イエニスタ「規律を知らない自分たちを恥じている」
イエニスタ「傲慢なあなたたちと慎ましい私の教徒たち」
イエニスタ「楽園に帰るのにふさわしいのは果たしてどちらかな?」 ファザー教は黙ってしまった
イエニスタ「あなたたちは偽善者だ」
ファザー教「なんだって?」 イエニスタ「綺麗な規律を隠れ蓑にしてわたしたちを苛めているではないか」
イエニスタ「カッコのいい言葉の裏で、わたしたちをバラバラにしようとしている」
イエニスタはまっすぐな目をしていった
イエニスタ「偽善者は嫌いだ。全てをおかしくする」
イエニスタ「私はお前たちを軽蔑する」 イエニスタ「立ち去るがよい」
ファザー教「ぐぬぬ」
ファザー教のプライドはズタズタだった
ファザー教「イエニスタは殺さなけらばならない、絶対だ」 謀略を練っていたファザー教徒は、あれちょっと待てよ、と思った
ファザー教「しかし、わたしたちを軽蔑していいのは神様だけではなかったですか」
イエニスタ「ぐぬぬ」
イエニスタ「いまダブスタという言葉が頭をよぎった。呪いの言葉だろうか」
ファザー教「あるいはブメーラーンではないですか」 >>205
イエニスタ「難問を利用してあなたがたがやりたいことが重要なのだ」
イエニスタ「あなたがたは実のところ楽園に帰りたいなどとは思っていない」
イエニスタ「政治のため、階級を守るため、金のため、権力のためにやっているのだ」
イエニスタ「つまり自分のためだ」
イエニスタ「わたしは違う」
イエニスタ「楽園に帰るためにやっているのだ」
イエニスタ「神もそれを望んでおられる」
イエニスタ「それを邪魔するあなたたちだから神は見捨てたのだ」
イエニスタ「神はそんなあなたたちを軽蔑したのだ」
イエニスタ「今、神様は居ないのだ」
イエニスタ「だから私が神の子としてあなたたちを軽蔑したのだ」
イエニスタ「私は差別をしたりしない」
イエニスタ「富めるものでもシャイン教は大歓迎だ」
イエニスタ「楽園の門は誰にでも平等なのだ」 >>205
物語と似せて書かないでく欲しいっす
読む人がややこしくなるのは避けたいっす
普通にコメントしてくれーw
とりあえず繋げて書かせて頂きやした
細かいところまでよんでくれてるのは嬉しいです
ありがとねー ジータ「まいったなー」
ポポロ「どうしたの?」
ジータは下界を見下ろしていた
ジータ「俺が悔い改めろって言ったせいでややこしくなってる」 ポポロ「うわ、凄いわね。宗教が流行ってる……」
ポポロが下界を見下ろすと、下界ではどの宗教が正しいかで戦争が起きていた
ジータ「俺さー、会う人間すべてに、悔い改めるんだなって捨て台詞を言ったんだ……」 ポポロ「なんでそんなこと言ったのよ」
ジータ「むしゃくしゃして、やった」
ポポロ「馬鹿ね……」
ジータは声を荒げた
「だって食料取りに下界に足を運ぶ日々だぜ?」
「人間があの果実を食わなけりゃそんなことしなくて済んだ」
「楽園は崩壊したんだ……」 ジータ「あいつらの話はむつかしくて、わからん」
ポポロ「ただの大義名分よ。欲望を満たすための道具。気にする必要ないわ」
ジータ「下界に関わらないというルールを破ってしまった、すまん」
ポポロ「いいのよ。ルールは破るものよ」
ポポロはそれから昔のように下界を覗くようになった おお続き来てた
乙です
ブメーラーンで笑ったけどまあ違うわな
荒野で蛇の「価値観を持てる」果実を食べたらイエニスタはどうなったんだろう?
価値観自体はイエニスタにも溢れ出ているが利己的か献身的かの違いか そんくらいだわな
だから好みや考え読むのは自信ある
女性ら相手のが普通の人間関係築きやすい
男相手の方が難しい まずはこれが恥ずかしいからこれを逆転させよ〜とあれこれ考えるわけ 面白かった(´ー`)ノまた時間がありましたらお願いします! 「お姉ちゃんなにやってるの?」
一人の少女がポポロに話しかけた
ポポロ「下界を覗いているのよ、ミラ」 ミラ「下界なんて見ておもしろいの?」
ポポロ「おもしろくはないわよ」
ミラはニコニコとしている ポポロ「リスタ様の面倒を見ると約束したはずよ、ミラ」
ミラは困った顔をした
ミラ「おばあちゃんはもう駄目よ。歩けなくなっちゃったもの」 ミラ「もうじき死んでしまうわ」
ポポロ「なら、なおさら面倒を見なくてはダメね」
ミラはポポロの隣に座って言った
ミラ「いまジータが車椅子を作ってくれてるの。わたしはそれを押して散歩してあげるわ」
ポポロ「それはいいことね」 ポポロ「ジュダスは元気?」
ミラ「元気よ。ワインばかり飲んでるわ」
ミラは下界を覗いて言った
ミラ「下界は楽しそうね。お店とかたくさんあるわ」 ミラ「下界に降りてみたいわ」
ポポロ「あっちをごらんなさい、戦争をしてるわ」
ポポロは戦争してる方角を指差した
ポポロ「昔はここにもお店があったのよ。戦争なんてしなくてもね」 ミラ「でも、ここでは友達もできないわ。ポポロもジータも優しいけど、同じ年頃の友達なんてここではできないの」
ポポロ「わたしたちじゃ不満ってわけ?」
ポポロは笑った
ミラ「不満よ。おばあちゃんは小言ばかりだし、ジュダスはお酒ばかり飲んでるんだもの」 ポポロ「わかったわ。今度いっしょに下界に行きましょう。みんなには内緒よ?」
ミラ「本当?お姉ちゃん大好き!」
ポポロは下界を見るのにうんざりしていた。偽善者ばかりで溢れかえっていたからであった
ポポロ「じゃあ、一緒にリスタ様のところへ帰りましょう」 ポポロはミラと一緒にリスタの館へと歩いて行った
リスタの館は大きかったのだが、使用人である人間がいなくなってからは広すぎたので現在は使われていなかった
館の近くにある使用人の小屋にリスタとジュダスとミラで住んでいる ポポロ「こんにちは」
ポポロは小屋のドアを開けた
老婆がベットに座っていた
リスタ「ひさしぶりね、ポポロ」 ポポロ「足が悪くなったようですね。おばさま」
リスタ「わたしも、もう長くはないね」
ミラ「あれ?ジュダスは?」
リスタ「ワインが切れたのよ。倉庫を探しに行ってるわ」 ポポロ「あいかわらず、酒ばかり飲んでるのですか」
リスタ「もう、ワインは切れたよ。こっそり倉庫にいったのだけども、綺麗に空っぽね」
ポポロ「大丈夫でしょうか。ワインがなければ彼は首をくくるわ…」 リスタ「昔はあんなやつじゃなかったわ。ジュダスはシルトを慕っていた」
ポポロ「そうですね」
リスタ「シルトはなんでもできて男前だったわ」
ミラは人形で遊んでいた。リスタは微笑みながら言った
リスタ「シルトが死んだときに、ジュダスもまた死んだのよ」 ポポロ「おばさま、そんな言い方はよくないわ」
リスタ「わたしたち5人が最後の神だから?」
ポポロ「仲良くしなくてはいけないわ」
リスタは吐き捨てるように言った
リスタ「わたしたちはもう人間と変わらないわ。奴らは大繁殖した」
リスタ「いまさら何かしても無駄。残りの人生を良いものにしなくてはならないの」
リスタ「あなたも気を使う必要なんてないわ」
リスタ「もうすぐ奴が帰ってくるわ。嫌になっちゃう」 小屋の扉が開いた。小綺麗な中年の男がこっちを見てる
リスタ「ほらね」
ポポロ「……お久しぶりです、おじさま」
ジュダス「ワインが切れた。どこにもないんだ」 ポポロ「おじさまが飲み干してしまったんだわ」
ジュダス「……そうか、わたしか」
ジュダスは上目づかいに言った
ジュダス「ジータに頼んでくれないか。下界からワインを取ってくるように」
ポポロ「え?」 リスタ「この恥知らずが」
ジュダス「ワインくらいいいではないですか」
リスタ「食料取ってくるだけで精一杯だよ、役立たずのあんたと違ってね」
ジュダスは呆れた顔をした
ジュダス「それはあなたも一緒でしょう?役に立ってない」 リスタ「このボンクラと話したくないわ」
リスタはそっぽを向いた
ポポロ「ジータは忙しいわ。楽園の維持管理も彼と私でやってて、手一杯なの」
ジュダスは頭を抱えた ジュダス「おお、神よ。私を救いたまえ」
ポポロ「……神はあなたよ」
ミラ「自分で自分を救うのよ。おじさま」
ミラは笑いながら言った ジュダス「私はここを出るよ」
リスタ「なんですって」
ジュダス「下界に降りるのだ。ワインが飲めるところに住む」
リスタは口をあんぐりと開けて固まってしまった
ポポロ「楽園を出るというの?」 ジュダス「ワインがないところなんて楽園とは呼ばん」
ミラ「わたしも行きたい!」
ポポロ「ミラ、駄目よ。下界は危険だわ」
ミラ「大丈夫よ!」
ポポロはミラに言った
ポポロ「ジータを呼んできて。車椅子が完成した頃だわ」
ミラ「わかった!」 ミラは扉を開けて走り去った
ポポロ「おじさま、本当に行くつもりなの?」
ジュダス「ああ」
リスタ「あてはあるのかい?働かなくてはワインも買えない」 ジュダス「わたしは神だ。働くつもりはない」
リスタ「……でしょうね」
ポポロは少し考えてから言った
ポポロ「イニエスタという青年がいるわ。彼の元に行きなさい」 ジュダス「なぜだ」
ポポロ「きっとワインをくれるわ」
ジュダスは疑いの眼差しでポポロを見つめた
ジュダス「騙そうとしているんじゃないのか?」 ポポロ「いいえ。自分の正体を包み隠さず彼に話してごらんなさい」
ジュダス「もとより隠すつもりなどない」
ポポロ「結構。早い方がいいわ。早く行きなさい」
ジュダス「はいよ」
ジュダスはバックにリンゴやらパンを詰めて旅支度をした ジュダス「では、ごきげんよう。ミラとジータにもよろしく言っといてくれ」
ポポロ「わかりました」
リスタ「くたばれ、馬鹿野郎」
こうしてジュダスは下界へと降りて行きました コメントありがとうございます!
読んでます!
保守も助かります。ゆっくりの更新すみません!
また後で続き書きます! >>253
いつもありがとー
>>254
蛇神のこと忘れてたw
6人だね
>>255
>>256
ああ、保守の神よー
>>257
風に乗って散って行くだけなのです… ようやく暇が出来てきたので更新頑張りますー
完結するかもですね
では始めやす イニエスタはローマの街を歩いていた
宗教活動は弟子たちに任せていたので一人で歩いていた
イニエスタ「残るはスタエラルのみか、宣教せねばなるまい」
イニエスタ「スタエラルはファザー教の本拠地だから危険だ」
イニエスタ「どうしたものか」 少年「おい、ちゃんと蹴るんだ」
少女「おにいちゃん、わたしサッカー好きじゃないよー」
少年と少女がサッカーをしていた
イニエスタ「ふむ」 イニエスタ「わたしもいれてくれるかな」
少年「なんだよ、おっさん。サッカーできんのか?」
イニエスタは少年のボールを取り、リフティングをした
少年「すげぇ」
少女「かっこいー」 少年「おっさん何者だよ」
イニエスタ「ただの奴隷だ」
イニエスタは実は宗教活動に疲れていた
禅問答も得意だったが、好きなわけではなかったのだ
楽園に帰るのに必要だからしているだけで、イニエスタはサッカーのほうが好きだったのだ イニエスタは少年と日暮れまでサッカーをした
少女はニコニコしながら見ていた
イニエスタ「技術は教えた。後は練習を重ねればつかえるようになるだろう」
少年「おっさん、サッカーの神様だな。ありがとう!」
イニエスタは笑った
「わたしは神か。サッカーに関してだけなら神もお許しになるだろう」 少女「なんか変なおじさんがずっと見ていたよ」
少女が指を指した先には小綺麗な男がいた
イニエスタ「誰だ」 ジュダス「お前がイニエスタか」
ジュダスは少年と少女を見た
イニエスタ「二人とも帰りなさい。じきに夜になる」
少年「おっさん、ありがとな!」
少女「おじさんも夜になる前に帰らなきゃダメよ」
少年と少女は帰って行った イニエスタ「見たこともない服だな、ファザー教のものか?」
ジュダス「なぜだ」
イニエスタ「わたしを殺しにきたのだろう」
ジュダスは笑った
「ちがう。わたしを生かして欲しくて来たのだ」 イニエスタ「どういうことだ」
ジュダス「わたしは神だ。楽園から逃げてきた」
イニエスタは驚いた
「楽園になにかあったのか」
ジュダス「ワインが切れたのだ」 イニエスタ「ワインが切れると神は死ぬのか」
ジュダス「違う。ワインが好きなのはわたしだけだ」
イニエスタは疑った。ジータは空からやってきたのだが、この男は歩いてきた。
イニエスタ「貴方が神であることを証明しろ」 ジュダスはため息をついた
イニエスタのほうをチラリと見て言った
ジュダス「いいだろう。よく見ておくがいい」
ジュダスは宙に浮いた。20センチほど浮いている
ジュダス「どうだ。驚いたか」 イニエスタ「……もっと高く飛べないのか?」
ジュダス「無理だ」
ジュダスは地面に降りた。額には脂汗がにじんでいる
ジュダス「神にも得意、不得意はあるんだ。ぜぇぜぇ」
イニエスタ「お前はなにが得意なんだ」
ジュダス「……ワインを飲むことだ」 イニエスタはがっかりした。男が神だと言うことは信じたが、ジータに比べると頼りなかったからだ
イニエスタ「お前の望みはなんだ」
ジュダス「弟子にしてくれ」
イニエスタ「なぜだ。意味がわからん、神の貴方が弟子になるなど」
ジュダス「弟子になればワインが飲めると聞いた」
イニエスタ「わたしになんの得があるんだ」 ジュダス「わたしは神だぞ。なんだその口の聞き方は」
ジュダスはイニエスタの自分に対する扱いに驚いた
イニエスタ「弟子になるとはそういうことだ。周りのものにも示しがつかないだろう」
ジュダス「うーん」
イニエスタ「心配するな。ワインはちゃんとやる」
ジュダス「ならいい」
イニエスタ「で、お前はなんの役に立つ?」
ジュダスは困ってしまった。失敗したらワインが飲めなくなるからである ジュダス「楽園の門を開けてやろう」
リスタが門を開けてくれるとは思わなかったが、嘘も方便であると思ってジュダスは言った
イニエスタ「本当か?」
イニエスタ「神が受け入れてくれるだろうか」
イニエスタの目が輝いていた。ジュダスはチャンスをものにしようと言った
「心配するな。わたしも神だ。楽園の門に関しては任してくれ!」 イニエスタ「お前の名は何と言うんだ?」
ジュダス「私の名はジュダスだ」
イニエスタは頷いた
イニエスタ「よし、お前の名は今日からユダだ。ユダと名乗れ」
ジュダス「わかりました。イニエスタ様」 イニエスタ「みんな、紹介しよう。新しい弟子のユダだ」
イニエスタは弟子たちにジュダスを紹介した
弟子1「小綺麗な格好ですね。貴族の出身ですか」
イニエスタ「そうだ。貴族の暮らしに嫌気がさしたらしい」
ジュダス「よろしく、みなさん」 弟子2「彼にはなんの仕事をさせましょうか」
イニエスタ「そうだな、ユダ。お前は何がしたいんだ。希望はあるか?」
ジュダス「私は計算が得意です。会計係がよろしいかと」 弟子3「会計係はわたしの仕事だ」
ジュダス「私の方がうまくできます」
弟子3「なんだと」
イニエスタ「よろしい。ユダ、お前は会計係だ」
ジュダス「はい」
弟子3「イニエスタ様、あんまりでございます。私はこの仕事を誇りにしてます」 イニエスタ「わかっている。代わりにお前は私の側近になれ」
弟子3「本当ですか」
イニエスタ「ああ」
弟子3「身にあまる光栄でございます」
イニエスタ「次はスタエラルに向かおうと思う。この街の宣教活動を各自頑張ってくれ、終わり次第向かうつもりだ」 弟子1「さぁ、みんな。食事にしましょう」
弟子2「ユダ。きちんと神に祈ってから食べるのですよ」
ジュダス「え?」
弟子2「神に今日の恵を感謝するのです」
ジュダス「わ、わかった」
イニエスタ「今日から食事にワインをつけてくれ」 弟子3「ワインは趣向品です。楽しむためのものです」
イエニスタ「ああ」
弟子3「はたして神はお許しになるでしょうか」
イニエスタ「私たちは頑張っている。きっとお許しになるさ」
イエニスタはジュダスのほうを見た
ジュダス「ワインはみんなで楽しむものです。飲みましょう」 食卓にはワインが並んだ
いつもの質素な食事にワインがプラスされたのだ
最初はみんな戸惑っていたが、酒がまわると賑やかになってきた
いつもの静かな食事と違って笑顔があふれた
弟子たちもワインがあるのも悪くないな、と思った
ジュダス「みんなでワインを飲み、食卓を囲む。最高ですな」
イニエスタ「ああ」
イニエスタは笑った。みんなと笑い会えるのがとても嬉しかったのだった シャイン教は宣教活動をゆっくりと行った
シャイン教のモットーは急がず、ゆっくりと過ごすことだった
イニエスタは安息日を作った。何もしない時間を大切にしたかったからだ
イニエスタ「おい、リフティングはうまくなったか?」
少年「10回できるようになったぞ、おっさん!」
少女「こんにちは、おじさん!」 少年とイニエスタはサッカーをした
ボールの取り合いをした
少年に合わせてイニエスタは加減をしながら楽しんでいた
少女「またあの男の人見てるよー」
イニエスタが見るとジュダスがいた
ワインを飲んでいる イニエスタ「ああ、彼は友達だ」
ジュダス「こんにちは、お嬢ちゃん」
少女「こんにちはー!」
イニエスタはジュダスに言った
「何をしに来た。ワインなんか飲んで。金はどうした」 ジュダス「私は会計係です。金などどうにでもなります」
イニエスタ「不正はダメだ。ワインなら食事の時に飲んでるだろう」
ジュダス「私には足りませんな」
ジュダスはニヤリと笑ってワインを飲んだ
ジュダス「二人ともサッカーが下手ですな」 イニエスタ「なんだって?」
イニエスタは笑いながら言った。自分よりサッカーが上手いものを見たことが無かったからだ
ジュダス「少年。ボールを貸しなさい」
少年「はい」
ジュダスはリフティングをした。イニエスタに引けをとらないくらい上手かった
少年「すげえ」 イニエスタ「うまいな」
ジュダス「私にはシルトという友人がいました。彼とはよく腕を競ったものです」
ジュダスはイニエスタのほうへボールを蹴った
ジュダス「どうです。私と勝負しませんか?」
イニエスタ「なんだって?」
ジュダス「私があなたに勝ったら不正に関して目をつむっていただきたい」 イニエスタは笑った
イニエスタ「いいだろう。私が買ったら不正はやめろよな」
ジュダス「ふはは、いいでしょう」
少年「わくわく」 イニエスタとジュダスは勝負を始めた
イニエスタがボールを取り、ジュダスが取り返した
ジュダスが取り返したボールをイニエスタが取り返す
イニエスタ「なかなかやるな」
ジュダス「あなたこそ」
イニエスタは驚いた。ジュダスは自分と同じくらいサッカーが上手かった。もしかしたら自分よりうまいのかもしれない
イニエスタは自分の限界がジュダスといれば越えられるかもしれないと思った
ジュダスは嬉しくなった。イニエスタとのサッカーはシルトとの思い出を揺り起こした。それくらいイニエスタはサッカーが上手かった
ジュダスはイニエスタといつまでも勝負をしたいと思った
少年「すげえ。ファンタジスタや」
少女「どっちもカッコイイねー!」
周りに観衆ができた。子供達だけではなく、大人の女や男も二人を見てた
観衆1「どっちが勝つんだろうか」
観衆2「かっこいいわ」
観衆3「勝負がつかないところを見ると同じくらいの実力か」
観衆4「おれもサッカーまたやろうかな…」 やがて日が暮れた
イニエスタ「ははは、勝負がつかないな」
ジュダス「お預けということになりますな」
二人は笑って肩を組んだ。観衆は拍手をして、各自の家へと散っていった
少年「すごいな、おっさんたち」
少女「みんなみてたよー」
イニエスタ「ありがとう。二人も夜になる前に帰りなさい」
少女「はーい!」
少年「じゃあなー!」
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