(Part4of5)
気の遠くなるような時間が経って、
K札が到着し、田んぼの連中を連れ出してきた。
正確には、煽り屋を救出していた。
ヤンキー風の男は額と鼻、耳、口から流血しており、鼻は明らかに折れていた。
ブツブツ不平を言う度に開く口からは、歯が何本か欠損しているのが見て取れた。
腫れ上がって裂けた唇も見るからに痛々しい。片目も瞼が腫れてほとんど塞がっていた。
片耳は潰れていて、そこが一番痛むのか押さえた手を離さない。
女の方も顔中に何発も痛々しいアザができており、ジジイの本気度が窺えた。
K札の尋問に対し、ジジイは何も覚えていないと主張すると、そのまま歩いてどこかに
立ち去ってしまった。
ジジイは見逃されて、何故か俺がヤンキーカップルと共に当事者扱いされて、
徹底的に証言を求められた。
(続く)