日本で一番腎臓移植を行ってる東京女子医科大学HP

退院までの流れ
平均すると腎移植後7〜10日で退院できます。入院期間は移植後の経過によって多少変わってきます。

手術後の経過
移植手術をした翌日まではベッドの上で過ごすことになります。これは腎臓の血管が確実にくっつくまで安静にしてもらうためです。飲水や食事は翌日からできます。移植直後は体に点滴のチューブとドレーンといわれる手術した付近の体液を排出するチューブ、そしておしっこのチューブがついています。おしっこのチューブは尿量を正確にみるために4日間入っています。ドレーンは5日目に抜きます。点滴は水分が十分に摂れるようようになったら終了します。

術後検査について
移植後われわれが一番気をつけて診るのは、急性拒絶反応の有無です。そのために毎日採血をして腎機能を検査します。クレアチニンの動きを見て拒絶反応の診断を行います。また超音波(エコー)を用い移植腎の血流を調べ、血液の流れが滞ってないかどうかによって拒絶反応の診断を行います。拒絶反応が出現していると疑われた場合は、移植腎生検を行い顕微鏡で腎臓の組織を観察することで拒絶反応の診断をつけます。

拒絶反応を認めた場合
免疫抑制剤の進歩により拒絶反応をみることは少なくなりましたが、それでも約10%の方に拒絶反応を認めます。移植腎生検で確認した拒絶反応の程度によって治療法が異なります。軽度から中程度の拒絶反応の場合は、ステロイドパルス療法といわれるステロイド(副腎ホルモンのひとつ)の点滴治療を行います。このステロイドパルス療法で効果がない場合や、強い拒絶反応の場合は、サイモグロブリン、リツキサンといわれる薬を注射したり、血漿交換を行ったりします。

拒絶反応を認めなかった場合
手術後拒絶反応の徴候を認めなくても定期的に移植腎生検を行うことは重要です。通常の検査では拒絶反応の徴候を認めなくても軽い拒絶反応が存在する場合があるからです。この軽い拒絶反応はしばらくは腎機能を悪くしませんが、数年すると徐々に腎機能が悪化する原因になります。また、腎臓病が移植腎に再発する場合もあります。そこで腎機能がよくても3ヶ月後、1年後には移植腎生検を行い、拒絶反応があった場合は治療を行うことにしています。

退院
移植後拒絶反応がなければ、あるいは拒絶反応があっても治療されれば退院となります。平均すると7〜10日間で退院となります。移植してから順調に尿が出てきて移植腎生検でも拒絶反応がない場合は、最短2週間ぐらいで退院できます。

今日でちょうど三週間か、拒絶反応等何もなく順調なのだろうか?