スポーツはいつの間にかビッグビジネスになった。昨年のTV視聴率の上位は、紅白歌合戦以外は全てスポ―ツだった。
ネットTVもDAZNは全てスポーツ、ABEMAも主力はスポーツ。どちらも勢いがある。
スポーツ選手は大金を稼ぐようになった。サッカーのムバッペの年俸は324億円だ。
他にもボクシング、テニス、バスケ、野球、アメフトあたりは何十億も稼ぐ選手が目白押し。

しかしマイナースポーツはマイナーなままだ。砲丸投げや円盤投げの世界チャンピオンが誰かなんて世間の人は知らないし、関心もない。
例えば砲丸投げのスポンサーになってメリットがあるとは思えない。
でもマイナースポーツも世界選手権があり、オリンピック、ワールドゲームスがある。
マイナースポーツは手弁当でやってろ、カネが要るなら自分で何とかしろというのが数十年前までは普通だった。
しかしIOC、JSPO、JOCなどの組織が肥大化し、スポーツ基本法ができ、マイナースポーツの団体にもお金を回して、国際大会などの参加の機会を増やすべきだという機運ができた。
結構な事だが、そうなると民間では出来ない。TOTOをやり、補助金を出すなど官製スポーツになる。

JPAはJADAにドーピングテストをお願いし、年間70万円を支払い、40検体程の検査をしてもらっている。
しかし三菱BCLの検査費用は10年ほど前でも14万円で、世界一高額だった。今はいくらか知らないが、20万円位するのかもしれない。
すると70万円では4検体しか出来ない。シャペロンなどの人件費もいるし、3検体かな?
残る36,7検体は官の金でやっている。

もうスポーツ、特にマイナースポーツは官の力なくしては運営できない。JPAはドーピングテストの補助以外にも年に数百万の補助金をもらっている。
裁判などもあり、それでも赤字だが、会長が人を出すなどして補填している。
JPAの規模の運営でさえ、もはや官製スポーツでなければ成り立たない。

官製には大きな落とし穴がある。それは業務独占で、自由競争を仕掛ける相手がいない事だ。
官僚には天下りポストがいるし、政治家は献金と票出しのできる組織が必要だ。
こうなると官製スポーツが歪められないか心配になる。
先に言ったように、一部のスポーツには大金が動き、その他のマイナースポーツもオリンピックなどの付加価値を付ければ大金を産む。

電通OB高橋某事件、JOC会長の海外での逮捕状事件は氷山の一角だろう。JPAのような小さな組織でも問題行動が懸念されたことがある。
本来お金が出て行くばかりなのが当然のマイナースポーツが、官製スポンサーで運営されるようになってきた。
そうなるとNFにもいろいろある。ボクシング、テコンドー、クレー射撃、バドミントン、枚挙にいとまがない。
官の方もあの体たらくで、スポンサー企業とつるんでいる。

JSPOもIOCもIPFも両目を良く見開いて是々非々で付き合わなければならない。
JPAの運営が条理に基づき、とにかくカネの問題を起こさないようにしなければ。
スポーツは、パワリフは楽しいが、その環境を正常に、クリーンに維持するのはそれなりの努力が必要だ。
清と濁を見極めると同時に、正直な所、濁をどの程度まで混ぜれば何とか運営できるかの見極めが重要だ。