「我々は今も無数の、白い衣装を纏った悪魔に囲まれている」

1918年、国境沿いにある小さな村の山岳部族の少女が拾った、
風に吹き流されてきた日記の切れ端に書かれていた山が、シシャカンリである。

イギリス登山隊のザッカー卿が最後に残したメモにある、白い悪魔はそれ以降も、
誰一人として、この山に足を踏み入れることを許していない。