「体のため」の勘違いで逆効果…
ブドウ糖(グリコーゲンなどに形を変えて体に保存されていたものを含む)がエネルギーとして消費されてしまうと、次に使われるのは筋肉ではなく脂肪です。一般的な体格の人(たとえば体重60キロの男性)で、1カ月くらいはエネルギー不足にならないくらいの脂肪を、私たちは体に溜め込んでいます。

これら脂肪を消費し切ったとき、最後にやむを得ず、筋肉のタンパク質がエネルギーとして使われます。

なぜ最後かといったら、筋肉をつくっているタンパク質が簡単に不足してしまっては大変だからです。そんなことにならないよう、私たちの体は完璧に設計されているのです。

牧田善二『医者が教える最強の解毒術』(プレジデント社)牧田善二『医者が教える最強の解毒術』(プレジデント社)
そして、タンパク質までエネルギーにしなければならないようなことは、文明社会ではあり得ません。ましてや、スポーツクラブで運動したくらいで、そのような状況になるはずがないのです。

それよりも、プロテイン摂取は腎臓への害が大きすぎることを考慮すべきです。なんで最近、こんなにコンビニでもスーパーでもそしてジムでも、プロテインを売るようになったのかわかりません。

働き盛りの年代が、忙しい時間をぬってせっせとスポーツクラブに通うのは、健康を維持したいからでしょう。体を守るためにやっているはずのことが、逆効果にならないようにしていきましょう。