日本魚類学会(松浦啓一会長)は、「バカジャコ」「イザリウオ」など
差別的な言葉を含んだ魚の標準和名を改名する。
見聞きした人を精神的に傷つけたり、不快感を与えたりすることがある上、
博物館や水族館などが別名への言い換えをバラバラに行う例も多く、
混乱を解消すべきだと判断した。今月中に正式決定する。動植物や
昆虫などにも差別語を含んだ標準和名が多いだけに、他学会にも影響を
与えそうだ。

改名するのは、日本魚類学会標準和名検討委員会が差別的と判断した
「メクラ」「オシ」「ミツクチ」など九つの語を含む魚で、日本産の
魚類約3900種のうち30種が対象。同様の言葉が「種」より上位の
「属」や「科」などの分類単位に使われている例もあるため、計49の
標準和名を同時に改名する。
同委員会は、「クロメクラウナギ」を「クロヌタウナギ」、
「オシザメ」を「チヒロザメ」などとする改名案を作成しており、近く
学会の評議員会に提案する。新しい標準和名は学会以外に拘束力はないが、
博物館や水族館などにも使用を呼びかける。

標準和名検討委員会委員長の瀬能宏・神奈川県立生命の星・地球博物館
主任研究員は「名前を変えても差別はなくならないという意見もあるが、
誰もが抵抗なく使える標準和名にすることで、標準和名を安定化させる
目的がある」と話す。


http://www.yomiuri.co.jp/science/news/20070106i507.htm