──走る閃光、轟く爆音、撒き散らされる灼熱──。


それに伴い発生した凶悪な衝撃波が戦場を覆い、あらゆるものにその威力を叩きつける。
気が付けばクロムは再び壁に激突し、その身を減り込ませていた。

「また振り出しに戻るってか……! 何度喰らっても強烈だぜ、こいつは……!」

衣を通して肉体に刻まれたダメージが齎す激痛に歯を軋ませるクロム。だが、その口角は上がっていた。
サティエンドラの時とは違って意識がはっきりと残っているばかりか、体もまだまだ限界に達していないという実感があったからである。

(……いや、真に強烈なのはやはりこの衣かもしれねぇな。魔法に対する防御が随分マシになったぜ。
 だが……肝心の敵の防御力はさてどうだったのか……?)

【最後の黒髑髏を使用。その際にダゴンの魔法の暴発も相まってダゴンの口内を中心にかつてない爆発が生じる】
【爆発に思いきり巻き込まれて再び壁に減り込む。ダメージは大きいが『反魔の装束』の効果もあって戦闘続行は可能】