ルヴァートはティンバー一家に話を促す。

 「それでは、お話を伺いましょう。
  何か、お力になれれば良いのですが……」

ノーブルとマージョリーは何から聞けば良い者か、お互いに見合う。
最初に口を開いたのは、ノーブル。

 「外道魔法使い……と呼ばれる物が、共通魔法社会で生きて行く為に……。
  何か助言を頂けないかと」

 「具体的に、どんな事で、お困りですか?」

 「それは……」

ノーブルは一度ヘルザを見て、こう言う。

 「共通魔法を使えない事で……。
  いえ、共通魔法に違和感と言うか、嫌悪感があるらしいのですが……」

 「ああ、解ります。
  御両親は外道魔法を目にした事はありますか?」

ルヴァートの問い掛けに、ティンバー夫妻は再び見合って、首を横に振った。

 「いえ、瞭りと目にした事は……ありません」

その答を聞いたルヴァートは、何度も頷いた。

 「それでは中々娘さんの気持ちは理解出来ないでしょう。
  『異なる魔力の流れ』と言う物が、如何なる物なのか、先ずは解って頂こうと思います」