家の中には若い男女が居た。
2人はルヴァートの弟子、メルベーとルーウィーた。
ティンバー一家を見て、2人は自己紹介をする。

 「あ、初めまして。
  ティンバー家の皆さんですね?
  私はメルベー、そして、こちらが――」

 「ルーウィーです」

それに対してティンバー一家も名乗った。

 「私はノーブル・ティンバーです。
  そして、妻のマージョリーと娘のヘルザ」

メルベーとルーウィーの視線は、ヘルザに集まる。
最初にメルベーが言った。

 「この子が例の隔世遺伝の子ですね」

ヘルザは見知らぬ大人が2人も居る事に緊張して身構えている。
メルベーとルーウィーは互いの顔を見合って、小さく笑みを漏らした。

 「私達はルヴァートさんの弟子です」

そうメルベーが言うと、ルーウィーも続く。

 「元共通魔法使い……。
  否、今でも共通魔法使いを止めた積もりは無いけれど。
  師匠には劣るけど、緑の魔法が使える。
  所謂『多重魔法理論内包者<マルチマジシスト>』だな」