東北大電気通信研究機構(仙台市)の中沢正隆特任教授(光通信工学)らの研究グループは、
独自の光パルスを使った超高速光通信の伝送効率向上に成功した。

1チャンネルの伝送速度は、現在の基幹通信網の主流技術(100ギガビット)よりも100倍以上速く、
世界で最も速い毎秒15.4テラビットに到達。
次世代通信システムへの展開が期待される。

研究グループは2012年、独自の光パルス「光ナイキストパルス」を発明。
パルス同士が重なっても干渉し合わずに情報が保持される状態を作り出し、伝送効率向上に成功していた。

今回、研究グループはナイキストパルスを高精度に制御することなどにより、さらなる高速化と効率化を実現。
加えて信号の変調方式に無線で広く用いられる変調方式「64QAM」を導入することで大容量化を図った。
この組み合わせにより、一つの光で毎秒15.4テラビットの光信号を150キロメートル先にエラーなく伝送できることが確認できた。
伝送効率も従来の4倍になった。

ブロードバンドサービスの普及に伴い、国内の情報量は年率約40%の増加を続けており、光通信網の大容量化、高効率化が急務。
中沢特任教授は「次世代高速通信システムの実現に向けて、変調方式の精度を上げ、さらになる高速化、大容量化を目指す」と話した。