LEVEL. 319,2 『問題』と『答え』


ブラゴ「なるほど…シェリーの指示や俺の判断が『答えを出す者』の指示とほぼ同じレベルまで来ているということか」

シェリー「そうよ。クリアとの戦いの中で、確かに清麿の力は私達を勝利に導いた…」
シェリー「でもその戦いの中の指示で、ある程度は予想通りの指示だったり、指示の前に動き始めたら指示通りだったりしたこともあった」

ブラゴ「なるほどな…だかそれは『答えを出す者』の攻略法とは言えない。あの力が敵に回ることが驚異であることに変わりはない」

シェリー「あら?私はまだ攻略法については触れていないわよ?話が逸れちゃったわね」

シェリー「ブラゴは覚えてる?クリアがシン・クリアを唱えようとしたときのこと」

ブラゴ「ああ、清麿の力で勝つための『答え』が出なかったことだろ?」

ブラゴ「しかし完全体となったクリアはまさに別次元だった…あのクリア並みの力を俺たちが、残り3ヶ月で、デュフォーの指導無しで手に入れることは現実的ではない。単純な力の差で清麿の『勝つ為の答え』を奪うことは現実的ではない」


シェリー「違うわブラゴ。シン・クリアを『唱えてからの答え』ではないの。」

ブラゴ「どういうことだ?」


シェリー「シン・クリアを『唱えようとしたときの答え』のことよ。」



清麿「ヴィノーがシン・クリアを唱えようとしたとき、俺の力で頭に浮かんだ答えは『唱えられたら俺たちは勝てない』という答えだった」

清麿「そして術が出てからは、『この術を破ればクリアの力の支配が始まり、俺たちは勝てなくなる』という答えが浮かんだ。だからあのとき、この術を消したら取り返しのつかない事態になると言ったんだ」


ガッシュ「ウヌ、そこまでは私でもわかるのだ!」


清麿「だがガッシュ。もし『答えを出す者』が勝つ為の答えを完全な形で常に教えてくれるとするなら、クリアと戦う前から『シン・クリアを唱えられては負ける』と浮かぶはずだと思わないか?」

ガッシュ「たしかにのう。。言われてみればそうなのだ」

清麿「つまり『答えを出す者』は『どんな問題にも答えを出す力』であって、『望む未来に進む為の道を教えてくれる力』ではないんだ」

ガッシュ「なんだか分からなくなってきたのだ…」


清麿「不完全な問題に対しては、不完全な答えしか出ないってことなんだよ。だからシン・クリアの術に対しての答えも、相手が唱えようとするまでは問題が出されていないような状態なんだ」


ガッシュ「ぬぉおぉ…」

清麿「だからデュフォーの力でもクリアの完全体についてや、どんな術を使ってくるかは予測の範囲でしか答えを出せなかったんだ」

ガッシュ「たしかにデュフォーのクリアに対する答えも予測だったのだ!」



清麿「例えるなら、変数が2つある2次方程式の場合。yの答えはxで表す変数の解しか出せないようなもんで、問題が不完全だと答えも不完全な範囲に留まるってことだ」


ガッシュ「途中から清麿が何を言っているのかさっぱりわかぬぞ…」