極めて単純明快なる掛け声とともに、私はメタボのおっさんから二対四枚の翼をもつ妖精美少女へと姿を変え、宙に舞い上がる。
同時に金の粉が舞い、近くにある瓦礫へかかった。

「こっちだ、化け物!」

剣士らしき青年をやすやすと吹っ飛ばした化け物の力は絶大、かなりの強敵だと思われるが、動きが緩慢なのがせめてもの救いだろうか。
まずは大き目の瓦礫を一つぶつけて気を引き、その隙にそこらじゅうの瓦礫に金の粉を散布する。
この粉がかかった物体は、念動力のように自在に操れるようになるのだ。
たとえ小さな破片だろうと、猛スピードでぶつければ弾丸のごとき威力になる。
大小様々な瓦礫を浮遊させ、四方八方から最大射出速度で一斉にぶつけた。

「これで……どうだ!!」