「リー・メイメイが気配を絶ってしまったな」
リウはそう呟いたが、誰も答えるものはいなかった。
呼び掛けに応じて中国にやって来た隠し子は7人。2人がリタイヤし、2人が身体を奪われ、1人が殺された。
残るは日本の服部拳士郎とインドのラクシュミ・アハマーンだけであった。
2人は今、庭でイチャつきながら西瓜を食べていた。
リウは2人のところへ行くと、焦った口調で言った。
「何をしている。早くリー・メイメイを探せ!」
「焦らなくてもいいでしょ、お父さん」拳士郎がそう言って西瓜を噛り、夏の暑気の中に冷たい滴を迸らせた。
「気配が消えてしまっては探しようがありませんわ、パパ」ラクシュミはそう言うとキスをするようなおちょぼ口で西瓜を食べた。
「嫌な予感がするんだ」リウはその場で足踏みをしながら言った。「奴に時間を与えてはいけない気がするんだ!」