「じゃあ、あたし、学校があるから」
両親を見送り、空港を出ると走り出しかけたメイをメイファンが呼び止めた。
「今夜お前んとこ行くぞ。ビール用意しとけ」
「ええっ!? なんで!?」
「お前は私の弟子だと言っただろーが」
あぅあぅあと口を動かすも言葉が出て来ず、仕方なくメイは返事もせずに走り出した。
「青島ビールだぞ!」
メイファンはその背中に大声でリクエストすると、美鈴のほうを見もせずに言った。
「……送って」
「『送ってください』でしょ」
「お願いします」
「いい子ね」
満足した笑いを浮かべると、美鈴はタクシーへ向かって行った。