十三は15歳になった。
希郎は53歳になっていた。毎日木に日付を刻み、自分の年齢がわからなくならないよう、気をつけていた。

希郎はいつも十三と、もう一人8歳の女の子を連れていた。
希郎の子……ではない。彼はどうやら子種がないらしく、何度か子作りを試してみたものの、妊娠させるに至らなかった。
女の子は幼くして母を亡くした孤児であった。一人前になるまで希郎が面倒を見ようと側に置いていた。
彼女に希郎は「リル」と名付けた。
他のアニメールが皆白か銀色の髪をしているのに対し、リルは銀色の髪の中に美しい金色の毛を持っていた。