僕らは愛とエゴがなければ生きて行けない
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ファンタジー恋愛小説です。
行き当たりばったりの思いつきで書いて行きます。
荒らし以外なら何でも飛び入り書き込み大歓迎です。
舞台は架空の多民族国家アルティフィカの首都「ゴッタ・シティ」。
主人公は4人。
・愛田谷 善三(アイタガヤ ゼンゾー)
26歳。落ちこぼれ刑事。警察犬並みの嗅覚を持つ。嗅覚が貴重なためクビにされないが、仕事をすぐにサボる。
女の子にはまったくモテないが、動物にはやたらと好かれる。身長164cm。
・ロイ
銀色の髪をした美しい青年。実は人間ではなく、アニメールという人間の姿をした狼系の動物。そのため運動能力が人間離れしており、喋り方が幼い。
アニメールは野生の王国「ネイトス」にのみ生息し、その地を離れると老化が急速に早まる。それを抑えるためにロイは人間の血を必要とする。
性格は自由気ままで甘えっ子の猫系。それでいて主人に忠義を尽くすところは犬っぽい。見た目は23歳ぐらいの87歳。身長178cm。
・双葉 結(フタバ ユイ)
25歳の女性。ゴッタ・シティで銀行勤めをしている。マルチーズ犬のチョチョと二人暮らし。平凡。
性格はお人好し。困っている人を見ると放っておけない。好きなタイプは頼りがいのある男らしい人。身長153cm。
・エミリィ・ホン
19歳のハーフの女子大生。八頭身のモデル体型だが背は高くない。そのルックスから非常にモテるが、本当の愛を探し求めている。
性格は高飛車。それでいて優しく面倒見がいい面も。どちらかというとダメ男が好き。ただしデブはNG。身長158cm。 雨の日、ユイは銀行勤めの帰り道、美しい青年を拾った。
毎日アパートの部屋に帰ることだけが楽しみだった。
2年前から一緒に住みはじめたマルチーズ犬のチョチョが待っている。
自分を待っていてくれるのは世界でただ一匹、彼だけだった。
彼のおやつとコンビニ弁当を買って、楽しい妄想をしながら帰り道を歩いていると小雨が降りはじめた。
雨はだんだんと強くなり、いきなりバケツをひっくり返したように降り出した。
潰れた洋菓子屋の軒先に駆け込むと先客がいた。 ユイはハンカチで濡れた髪を拭きながら、先客の姿を横目で見た。
いつからここにいたのだろう? 服がまったく濡れていない。髪はキラキラと町の灯りに反射しているが、濡れているせいではないようだった。
銀色の美しい髪をしているせいだ。
青年は何も言わず、等身大フィギュアのように動きもせず、何も考えていないような表情で向かいのパン屋を見ているようで見ていなかった。ユイは暫く躊躇っていたが、笑顔を作って浮かべると青年に話しかけた。
「傘、持ってくればよかったですね」
すると青年の銀の髪の毛の猫耳にあたる部分がぴくりと動いた。風に揺れたにしては不自然な動きだった。 「おねーさん」
青年が振り向き、こちらを見た。
その青碧の瞳は明らかに魔力のようなものを浮かべていた。
「ぼく、行くところがないんだ」
しかしそれは妖しい魔力というよりも、ペットショップでケージの中から子犬か子猫にすがるような目で見つめられた時に感じるような魔力だった。
「おねーさんの部屋に泊めてくれない?」
ユイは笑顔が止まらなかった。
目の前の青年が、愛玩動物よりも可愛く思えてしまった。
初めて会ったとは思えない愛しさに、ユイは二つ返事で「うん、おいでおいで」と答えてしまった。 やっぱ5ちゃんねるで行頭一字空けはかえって読みにくいな(^-^; ■ このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています