夜、メイファンは自分の部屋に一人でいた。
今まで一人でいたことなんて一度もなかった。
いつでもララがいた。ララがいなくなってからは、眠るまでリウが側にいてくれた。
ピンクのウサギのぬいぐるみを抱き締めながら、呟いた。
「友達欲しいなぁ……」
考えたら主要キャラ4人の中で友達がいないのは自分だけだった。
リウには数えきれないほどいるし、ハオにはズーランがいる。ララにさえ施設内に友達が多くいるし、ジンチンとは親友だと聞いた。
いつかララに言われたことを思い出す。
『メイは人をモノみたいにすぐ壊す。だから皆メイのことを怖がって、猛獣みたいな目で見るの』
「ララだけいればよかったんだよ」
メイファンはそう呟くと、空っぽになった自分の身体を強く意識してしまい、ぬいぐるみを強く抱き締めた。
「だって友達なんか作ってもつまんねーからすぐ殺しちまうに決まってんじゃねーか」
しーんとした部屋に耐えられなくて、大好きなリー・ロンハオの音楽をかけてみた。
しかし今日のハオ様はなぜかよそよそしく、別のハオのほうが懐かしくなってしまった。
「あぁ……ハオの腕、斬り落としてぇ……」
イメージの中、斬り落とした腕をすぐにララが治してしまった。
「二人でアメリカにいるだと? なんでそんな敵国に……なんでそんな遠くにいんだよ?」
ララとハオが笑顔でアメリカン・ドッグを食べてディズニーランドで遊んでいる光景が浮かぶ。
「なんでそこに私、いないの?」声がくぐもる。「なんでララ、私の中にいねーの?」