暫く二人は白梅の花びらが軽やかに降る中、並んで座っていた。言葉は必要なかった。
やがてリウが口を開いた。
「ジンチンさん」
「リーランって呼んで」
「リーラン? 本名なのか?」
「さすがにヤォバイ・ジンチン(揺れろ、心のままに)なんて名前はねェだよ」彼女は笑った。
「格闘家らしい素晴らしい名前だと思ってたよ」
「ゲヘヘ……」
「リーラン」
「あい?」
「僕と一緒に来てくれないか?」
「え? どこへだァ?」
「日本だ」