「ここに立ってな」
崩れそうな無縁仏の前で僕にそう命じると、ママは森の奥へと一人で歩き出した。
樹の上でカラスどもがうるさく鳴いていた。寒い風が一層僕を心細くさせた。
ママはそれきり戻って来ないと思わせといて直ぐに戻って来た。手に誰かの骨を持って。