「掘れないよ。石が多いし、固いよ。スコップは?」
「指で掘るんだよ」
「無理だよ」
「掘らないと帰れないよ」
選択肢をなくして僕は、ガリガリと固い地面に爪を立てて掘りはじめた。
幸い少し柔らかいところを見つけた。
『ついてる』と思い、僕は嬉しくなった。