思わぬ臨時報酬を得たオレ達は、買い物に乗り出した。

>「なんつうかな。武器商人の勘って奴よ。
 こいつがお前さんのトコに行きたがってる……。
 代金は譲らねぇけど、できることなら買い取ってくれないか」
>「珍しい物言いだね……買うよ。今の僕には丁度良い」

シリルは運よく珍しい杖をゲットしたようだ。
店主の自分の元から早く手放したがっているようにも聞こえる物言いが
少し気にならなくも無かったが、相応しい者に使ってほしいという純粋な厚意ということにしておこう。

「お連れさんは猫妖精のスカウトというところかな? 獲物は短剣あたりかい?」

「当たり! 魔力付与の効果が大きくなりやすいのがあるといいんだけど」

「それならこのミスリル銀製の短剣はどうかね? 素性不明だから安くしとくよ」

見た目は古びているので売れ残っていたのだろう。
試しにエンチャントをかけてみたところ、ミスリル銀製というのは嘘では無いようだ。

「よし、それもらい! あとダーツを一束いいかな?」

こうして武器を新調したオレ達は、シャンバラまで馬でひとっとび。
着いたと思ったら、何故か取り囲まれた。