192さんが放ったカタナがキングゴブリンに致命の一撃を与える。
巨躯のゴブリンはどっと倒れ伏してそのまま事切れた。

「すごい!流石シャンバラの神殿騎士だ!」

僕は思わずぱちぱちと拍手して192さんのもとへ駆け寄った。
冗談ではなくこの人が神託の勇者でいいんじゃないかな。
たまに思うけどなんで神殿騎士の人に神託しないんだろう。
はっきり言って僕やキャトラ如きにモノを頼まれる能力はないと思う。

勇者って柄でもないし……。だいいち僕は魔法使いだからね。
きっと勇者候補に碌なのがいないな……?
前回の勇者が訳の分からん帽子のおっさんなのも知ってるよ。

「ショック!」

僕はキングゴブリンをショックの電撃で焼き、最後の後始末をした。
瘴気に中てられてアンデッド化しないようにするための措置だ。
ケーユチ村に到着する前もやったので今回もせっせと始末する。

大半はアンフォーム・モルドが完全に分解したので処理の数も少ない。
まぁ、もしゴブリンゾンビになって復活しても聖水(余り)があるけど。

「処理も終わって……圧倒的勝利だ……!」

足を引っ張っておきながら寒い冗談を平然と口にして洞窟をあとにした。