薄暗い一室から光が射し込んで来て私は目覚めた。
ぼーっとした頭をスッキリさせるため首を左右に振ってから大きく深呼吸をする。
たしか………そうだ、私はクラスメイトの刃堂鋼子にナイフで胸を刺されて…
私は恐る恐る自身の胸元を手で探る。
あれ?傷がない…いや、それどころか痛みすらまったくないのだ。
あれは夢だったのだろうか…
安堵する私に別の疑問が浮かぶ

ここは一体何処…

私はとある部屋のベッドの上にいた。
しかし、ここは私の部屋ではなく、病院や学校の保健室でもない。
生活感のある誰かの部屋…
こんなに恐ろしく不安な事があるだろうか?
私はカーテンを開け外の景色を確認する。
見馴れない町並みが視界に映る。
そしてここはマンションの一室らしい

「あら、起きたんですか。」

誰かの声がした。